きらめき企業

オール東京の中小企業
ネットワークを結成

東洋大学経営学部教授
山本 聡 氏

打ち抜きプレス加工を専門とする町工場の株式会社タカハシ(東京都荒川区)は、自動車業界向けを中心に各種加工品を製造・販売している。

様々な経営上の困難に直面する中、現代表取締役の髙橋弘明氏は2008(平成20)年に荒川区の支援で結成された若手経営者育成プログラム「あすめし会」に参画。途中から経営者仲間と会を自主運営するようになり、その中で経営者ネットワークの重要性を痛感した髙橋氏は、あすめし会の活動を東京23区中に広げ、行政の壁を越えた中小企業ネットワークを構築することを企図した。

そうして生まれたのが、東京都の能動的な中小企業経営者のネットワーキング活動である「下町サミット」。2013(平成25)年に第1回下町サミット(荒川区)が開催された後、2023(令和5)年の同サミット(渋谷区)まで、計21回の中小企業経営者主導のワークショップ・イベントが開催されている。毎回、100人以上の中小企業関係の経営者や個人が集い、語り、学び合う場となっている。

2022(令和4)年のサミット(中央区)に参加した筆者はその活動に感銘を覚え、この1月には髙橋氏らの協力のもと、東洋大学で下町サミットの研究イベントを開催した。今後も追いかけていきたい。

2024年3月25日

株式会社タカハシ

東京都荒川区東日暮里6-3-5
【株式会社タカハシ HP】

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山本聡

1978年生まれ。
機械振興協会経済研究所、東京経済大学経営学部専任講師・准教授を経て2019年4月から東洋大学経営学部教授 (担当は中小企業経営論)。金型や部品加工など素形材産業を主な対象としながら、国内外の中小企業の経営体制の変化を解明することが研究テーマ。経営者や技術者向けにレポートを執筆するほか、さまざまなセミナー講師も務める。

山本聡