きらめき企業

ユニークアイデアを繰り出す
京都のものづくり企業の社長

神戸国際大学経済学部教授
中村 智彦 氏

宇治茶の茶畑が広がる中に立地する、京都府宇治市の株式会社ナンゴーは金属加工や機械装置製造のものづくり企業だ。代表取締役の南郷真氏は、ユニークなアイデアを繰り出す経営者として知られている。

中小製造業は厳しい経営環境に直面しており、新たな顧客開拓は重要な課題。そんな中、南郷氏が「高い職人技術をアピールするために、開発したものです」と言って見せてくれたのが「ナンゴー彫り」。印刷物で視点をずらすと立体的に浮かび上がる絵や写真があるが、それを金属で立体造形したものだ。2次元だったものを「職人技」で3次元に加工。「もうかるというほどのものではありませんが、展示会では多くの方に関心を持っていただけますし、アーティストの方などこれまでの顧客とは違った層の人たちとつながりができたのはメリット」と南郷氏は話す。

南郷氏は、依頼先がなかなか見つからないような中途半端な領域の仕事をネットで受注する「中途半端ネット」を運営するなど、ユニークな発想で新たな取り組みを進めている。伝統のまち京都はものづくりのまちでもある。

厳しい環境下にある製造業だが、ものづくりの伝統は脈々と息づいている。

2022年4月18日

株式会社ナンゴー

京都府宇治市白川川上り谷80-36
【株式会社ナンゴー HP】

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中村智彦氏

1964年生まれ。
大阪府立産業開発研究所などを経て2007年から神戸国際大学経済学部教授。専門である中小企業論・地域経済論では、現地での調査・研究を重視。中小企業間のネットワーク構築や地域経済振興プロジェクトにも数多く参画している。
【中村智彦(オフィシャルページ)】

中村智彦氏