きらめき企業

伝統ある料亭の魅力を
伝える若女将の活躍

神戸国際大学経済学部教授
中村 智彦 氏

県都・新潟市から特急列車で20分ほどの新潟県新発田市。県下有数の米産地で、山海の食材が豊富なほか、酒蔵が4軒、新発田城、蕗谷虹児(ふきやこうじ)記念館など観光資源も多く、近隣には月岡温泉もある。さらには歴史ある飲食店も点在している。

そんな老舗のひとつが「志まや」。江戸時代末期から廻船問屋を営み、旅籠と鮮魚店を経て、現在は割烹料理店。亡き6代目の嶋谷次郎八氏が料理を学んだ、日本料理界の巨匠・渋谷利喜太郎翁の流れをくむ店としても有名だ。現在、女将とともに店を支えるのが若女将の嶋谷幹子さん。「五感で日本の四季を感じることができる和食を新発田のお酒と一緒に味わい、幸せになってもらえればうれしい」と自然体で、「受け継がれてきた味を守る」必要性を強調する一方、新規顧客獲得にも知恵を絞る。

若者に比較的リーズナブルな料金で割烹の料理を味わってもらおうと、予約制のランチ会席をスタート。また、地元名産のアスパラガスをPRするために地元で開かれている「食のアスパラ横丁、味めぐり」にも参加、アスパラを使った特製カレーを提供した。そんな嶋谷さんのお店は若者を引き寄せるとともに、日本好きの外国人からも人気を集めている。

2020年3月23日

割烹 志まや :

新潟県新発田市御幸町1-1-1
【割烹 志まや HP】

過去記事一覧

中村智彦氏

1964年生まれ。
大阪府立産業開発研究所などを経て2007年から神戸国際大学経済学部教授。専門である中小企業論・地域経済論では、現地での調査・研究を重視。中小企業間のネットワーク構築や地域経済振興プロジェクトにも数多く参画している。
【凡才中村教授の憂鬱 HP】

中村智彦氏