地元産品の再評価で町起こし
神戸国際大学経済学部教授
中村 智彦 氏
中村 智彦 氏
京都府福知山市。お城(福知山城)が望めるこの町に、一見何の変哲もない小さなお茶屋さんがある。有限会社山城屋茶舗。この店が今、様々な新しい取り組みで注目を集めている。
福知山は茶どころでもあるが、収穫されたお茶のほとんどは宇治に運ばれ、宇治茶として販売されるため、今まで地元の人でもあまり注目していなかった。福知山の町おこしに関心を持った山城屋茶舗の豊島永子氏がこの福知山産のお茶に着目。5年前から地元産のお茶を「ふくちやま茶」と名づけて発売。上質な玉露茶で贈答品にも使われている。
実は、地元ブランドでは流通せず、地元の人もあまり知らないまま他の有名ブランドで販売されているという食品類は結構多い。せっかくおいしいものが地元でとれるのだから、地元ブランドで販売し、地元振興に役立てようという動きは大切なことだ。
山城屋茶舗は、かつては茶の栽培も手がけてきた老舗。地元福知山の活性化にと売り出した「ふくちやま茶」は福知山市のふるさと納税の返礼品にも使われている。地元活性化には、まずは地元産の素材の価値の再評価から始めるのが近道。「ふくちやま茶」の知名度向上が町おこしにつながり、飲食店なども巻き込んで様々な取り組みが福知山市で起きている。
2018年7月2日
有限会社山城屋茶舗 :
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1964年生まれ。
大阪府立産業開発研究所などを経て2007年から神戸国際大学経済学部教授。専門である中小企業論・地域経済論では、現地での調査・研究を重視。中小企業間のネットワーク構築や地域経済振興プロジェクトにも数多く参画している。
【凡才中村教授の憂鬱HP】