都会の住まい方を考える
神戸国際大学経済学部教授
中村 智彦 氏
中村 智彦 氏
東京都北区の岩淵地区は古くからの宿場町で、古い住宅が密集しているが、最近は新しいマンションや戸建て住宅が増えてきた。そんな住宅地の中でアパートのオーナーや建築家などが設立した株式会社岩淵家守舎(いわぶちやもりしゃ)が築約60年のアパートを改築し、新しい街づくりに取り組んでいる。
「co-toiro(コトイロ)」と名付けたこの施設。かつては染色工場があり、約60年前から木造アパートが20棟ほど建てられた。2017年から改築した住居棟に4組が入居し、シェアキッチンとコワーキングスペース(共有型の協業スペース)を備えた共用棟が完成。2018年に店舗併用住居棟にコーヒーカフェと自転車店が開業した。3月から路地を使ったマルシェも月1回開催、多くの人が集まっている。
代表取締役の織戸龍也氏は「シェアキッチンとコワーキングスペースがあり、カフェもできた。銭湯も近くにある。都会での住まい方は資源を共有することで楽しくなる」と話す。
東京の都心部でも、老朽化した長屋やアパートなどが増加。そんな物件を若い世代が楽しみながら改築し、新しい住まい方を実践している。岩淵家守舎の取り組みもその1例だ。単なる住宅開発ではなく、生活スタイルを提案する若い世代の動きは要注目だ。
2018年5月14日
co-toiro iwabuchi (コトイロ) :
東京都北区岩淵町15-13
【co-toiro iwabuchi (コトイロ) HP】
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(2018年5月7日)
1964年生まれ。
大阪府立産業開発研究所などを経て2007年から神戸国際大学経済学部教授。専門である中小企業論・地域経済論では、現地での調査・研究を重視。中小企業間のネットワーク構築や地域経済振興プロジェクトにも数多く参画している。
【凡才中村教授の憂鬱HP】