業界の常識を疑う
立教大学名誉教授
山口 義行 氏
山口 義行 氏
どんな業種にも存在する「業界の常識」。それを疑うことがイノベーションの第一歩となることがある。それを実践してみせたのが、愛知県名古屋市にある株式会社クラッソーネ代表取締役社長の川口哲平氏だ。
大手ハウスメーカーの勤務経験がある川口氏が感じたのは、建築業界で常識となっている下請け構造への疑問だ。住宅にまつわる工事は通常、ハウスメーカーへ依頼するが、実際の工事を行うのはほとんどが下請けや孫請け業者。そうした会社を経由していくことで施工費用は割高になる。
本当にこれで良いのかと考えた川口氏が立ち上げたのが、施主と施工業者を直接つなぐ「解体工事の匠」と「エクステリアの匠」といったマッチングサービスだ。施主からの相談に対してニーズを満たせる優良業者3社を紹介。見積もりの比較検討から発注、完成までを無償サポートすることで「選択肢」と「選択基準」を提供する。業者からの紹介料も見積もりへの価格転嫁が起こらないよう最低限に設定した。
このサービスは大きく成長し、毎月多くの相談があるという。建築業界全体のインフラとなることを目指しているという同社。業界の常識にとらわれず、むしろその意味を問うというイノベーションを展開している。
2018年6月11日
株式会社クラッソーネ :
愛知県名古屋市中村区名駅5-7-30 名駅東ビル4階
【株式会社クラッソーネ HP】
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1951年愛知県生まれ。
2001年に立教大学経済学部教授に就任。2017年4月から名誉教授。外務省参与として中小企業の海外展開、関東経済産業局「新連携支援」政策の事業評価委員長として中小企業連携支援にかかわるほか、企業経営者との勉強会を全国で開催するなど、自ら中小企業支援を積極的に展開。
【山口義行・公式HP】