きらめき企業

生産者と消費者を信頼で結ぶ

中小企業診断士
プロデューサー
千種 伸彰 氏

農薬や化学肥料を使わずに生産する有機野菜は、しばしば形が崩れたり、虫食いの跡がついたりする。味や栄養に問題がなくても見栄えが悪いということで流通に乗らない。こだわって作った作物を農家は泣く泣く廃棄している。

徳島県上板町、吉野川のほとりにある光食品株式会社のもとには、そうした大量に余ったトマトやニンジンが届けられる。代表取締役社長の島田光雅氏は商品開発が好きで、届けられた材料からソースやドレッシングなどのレシピを構想。もちろん、農家と契約をして原材料を仕入れてもいる。無添加、有機栽培、自然素材だけで作るソースは、国内はもとより海外、特に欧米からの注文が多い。

「裏切らない商品作りをしたい」と語る島田氏は、衛生的で近代的な設備を特注した。環境に配慮した工場からの排水は、「飲める水準」にまで浄化している。光食品は困りごとに応えているので生産者から感謝され、有機JAS認定など安全・安心にこだわった商品をそろえているので消費者からも信頼が寄せられている。

合成添加物を一切使わず、人気商品となった「超特級ヒカリソース」の商品名は、1964(昭和39)年に東京と大阪を結んだ東海道新幹線「ひかり」にちなんでいる。光食品は、生産者と消費者を信頼で結ぶ企業といえるだろう。

2018年5月21日

光食品株式会社 :

徳島県板野郡上板町高瀬127-3
【光食品株式会社 HP】

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プロフィール 千草伸彰

1968年生まれ。
テレビ朝日「ニュースステーション」やフジテレビ「ニュースJAPAN」の報道ディレクターとして活躍。多くの経済番組も制作。現在、中小企業診断士として企業や商店街などの経営相談、支援活動を行うとともに企業向けの動画制作講座の講師も努める。株式会社プラウドコンサルティング代表取締役。一般社団法人板橋中小企業診断士協会代表理事。
【株式会社プラウドコンサルティング HP】

千草伸彰