きらめき企業

お店の想いを丁寧に発信
心を込めた漬物の味

中小企業診断士
プロデューサー
千種 伸彰 氏

東京都板橋区にある中板橋商店街。日用品や食材を求める普段着の買い物客でにぎわう。道幅の狭い道路に面して青果店や惣菜店が並ぶ。その通りに他とちょっと雰囲気の違う店がある。

1952(昭和27)年創業、漬物販売の坂井善三商店。先代の坂井善三氏から現店主の坂井清峰(きよたか)氏が引き継ぎ、店を改装した。「もっと優しいお店に」という想いを抱き、家族と対話を重ね、"昭和レトロ"をコンセプトにした。改装前はフルオープンの店で通りから店内を見渡せたが、改装後はのれんをくぐって扉を開けなくては入れない。一見すると顧客を遠ざけている印象だが、なぜかリピーターが多い。暑い夏店内に入ると、笑顔とともに冷たいお茶が供される。店内には色とりどりのオリジナル漬物が所狭しと並ぶ。

同店はしばしばマスコミに取り上げられる。その理由のひとつに情報発信力がある。商品のラベルシールには成分表示と合わせてメッセージが添えてある。「楽しい食事に美味しい漬物を 坂井善三商店の願いです」丁寧な手作りチラシやPOPが着実にファンを増やした。のれんをくぐると落ち着いた雰囲気と売り手の笑顔、そして想いが詰まった漬物と貴重な情報があふれている。

2019年10月15日

坂井善三商店 :

東京都板橋区中板橋15-13
【坂井善三商店 HP】

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プロフィール 千草伸彰

1968年生まれ。
テレビ朝日「ニュースステーション」やフジテレビ「ニュースJAPAN」の報道ディレクターとして活躍。多くの経済番組も制作。
現在、中小企業診断士として企業や商店街などの経営相談、支援活動を行うとともに企業向けの動画制作講座の講師も務める。株式会社プラウドコンサルティング代表取締役。一般社団法人板橋中小企業診断士協会代表理事。
【株式会社プラウドコンサルティング HP】

千草伸彰