伝統の味を若者にも
日本茶の消費量は減少傾向にあり、急須そのものがないという家庭が増えているそうだ。お茶はペットボトルで飲むもの、という読者も多いだろうが、やはり急須でいれると香りや産地独特の風味が楽しめる。
東京都板橋区にあるハッピーロード大山商店街。そのアーケード沿いに有限会社大山園は淡いグリーンの看板を掲げている。3代目の代表取締役社長である小原宜義(のぶよし)氏が事業承継をする前の取り扱い商品はお茶、海苔、茶碗など一般的な茶店と変わらなかった。
日本茶離れが進む中、店を継ぐにあたって小原氏は悩んだ。今後、同じような業態では経営が厳しくなるのは必至。そこで考えた末に喫茶スペースをしつらえることにした。商店街を歩く買い物客に、お茶と和菓子で一息ついてもらおうという趣向だ。抹茶ラテや緑茶ハーブなど多様なメニューもそろえた。若者が来店するようになり、日本茶本来の味を知った客が茶葉を購入していくようになった。
猛暑続きということもあって、茶店には珍しいかき氷が人気商品になっている。新茶葉と宇治抹茶を閉じ込めた氷を削る。見た目の色彩やふんわりとした食感から一気に口コミで評判が広がった。ほうじ茶をそのまま入れて凍らせた「ほうじ茶氷」も、新食感。若者にも喜ばれている。
2018年9月3日
お休み処 お茶の大山園 :
東京都板橋区大山町6-8
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(2018年8月27日)
1968年生まれ。
テレビ朝日「ニュースステーション」やフジテレビ「ニュースJAPAN」の報道ディレクターとして活躍。多くの経済番組も制作。現在、中小企業診断士として企業や商店街などの経営相談、支援活動を行うとともに企業向けの動画制作講座の講師も努める。株式会社プラウドコンサルティング代表取締役。一般社団法人板橋中小企業診断士協会代表理事。
【株式会社プラウドコンサルティング HP】