きらめき企業

新しさとぶれなさ

神戸国際大学経済学部教授
中村 智彦 氏

東京都の中央部に位置する国分寺市。そのターミナル駅である国分寺駅近くに煮込み料理が人気の小さなレストランがある。屋号は「ラヂオキッチン」、店主は堀田きよみ氏。

堀田氏は国分寺の喫茶店で勤務し、料理や接客について学び、夫からアドバイスを受けたのを契機に自ら起業することを決意。起業家育成セミナーなどで経営について学び、2004年に念願の店を開店した。「手づくり」にこだわり、そして「いつも何かを発信していたい」という思いから店名をラヂオキッチンとした。

地元・国分寺で収穫される野菜、通称「コクベジ」を積極的に取り入れたり、自らの故郷である長野県上田市の野菜を使ったり、ヨーロッパに料理の勉強に出かけたり、豆の産地として有名な山形県川西町の豆とコラボした料理をつくったりと、様々なネットワークを生かした料理づくりと店づくりをしている。

飲食店の経営は意外と難しく、しばしば「3年で3分の1が消える(廃業する)」などといわれる競争が激しい業界だ。そんな環境のもと、堀田氏の店は来年で15年になる。

新しいことに次々チャレンジしつつも、「手づくり」と「情報発信」という2つの創業理念をぶれずに実践し続けている堀田氏の経営姿勢が、今夜も多くの客をひきつける。

2018年8月27日

ラヂオキッチン :

東京都国分寺市本町2-17-2
【ラヂオキッチン HP】

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中村智彦氏

1964年生まれ。
大阪府立産業開発研究所などを経て2007年から神戸国際大学経済学部教授。専門である中小企業論・地域経済論では、現地での調査・研究を重視。中小企業間のネットワーク構築や地域経済振興プロジェクトにも数多く参画している。
【凡才中村教授の憂鬱 HP】

中村智彦氏