経営理念の地道な実践
東京・築地で、その社名のとおり魚の容器販売を軸に事業を展開する東京魚類容器株式会社。築地の仲卸業者に、発泡スチロール容器、ダンボール、包装紙、袋、トレーなどの包装資材を販売。2014年には別の事業者から事業を引き継ぎ、ドライアイスも扱うようになった。
2012年に会社を継いだ代表取締役社長の原周作氏は、自社の経営理念として、それまでの「包装資材を通じて、日本の食文化発展に貢献し続けます」に、「共に学び成長し、感謝しあえる会社を目指します」という一文を加えた。会社をより良くするには、従業員のモチベーションを高める必要があると考えたのだ。地道にその理念を実践する原氏の姿に、社内でも徐々に理解者が増えていった。
原氏は、従業員満足度(CS)を高めるため、試行錯誤しながら、従業員が人として幸福な人生を歩めるような社内制度、社内風土づくりに尽力。同僚の仕事の紹介や誕生日、イベントの告知などを掲載した社内報の『ぎょるい新聞』を月1回の給与明細に同封しているのもその一例。また、自社の財務状況を従業員にも明示し、会社の課題を共有する場も設けている。
経営理念の社内浸透を通して、全従業員が一丸となって同じ方向性を目指して働くことができるよう、日々努力を続けている。
2018年9月18日
東京魚類容器株式会社 :
東京都中央区築地5-2-1 中央卸売市場内
【東京魚類容器株式会社 HP】
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(2018年9月10日)
1982年生まれ。
2013年玉川大学経営学部助教、2018年から准教授。専門分野は中小企業の企業間関係。特に中小企業間のネットワークから生み出される新製品、新サービスのプロセスについて分析し中小企業の存立維持可能な要因を模索している。中小企業経営のセミナーなどの講師も務める。