本業を通じた社会貢献
岐阜経済大学経営学部講師
大前 智文 氏
大前 智文 氏
岐阜県多治見市でタクシー・バス、便利屋事業などを営む株式会社コミュニティタクシー。地域から必要とされる交通手段やサービスを提供するとともに、地域の課題をビジネスで解決する「ソーシャルビジネス」としても注目を集めている。
「自分たちが乗りたいタクシー会社を自分たちでつくろう」と、現会長の岩村龍一氏と地域の事業者を中心とした40名の出資により、2003年に設立。顧客視点の多様なサービスの充実に加え、「すべては、お客様の『ありがとう』のために」という明確な経営理念の策定、サービスマニュアルに基づく社員教育などから顧客第一を実現する体制を構築し、地域住民の支持を獲得した。続けて、地域の需要に対応したバス事業を展開。特に公共交通網が未整備な住宅地と市街地・駅をつなぐ乗合バス(市之倉トライアングルバス、古虎渓よぶくるバス)は新たな方式の公共交通として機能し、全国からの視察者も絶えない。また、近年では物流センター社員送迎バスに参入するなど事業内容が拡大している。
現代表取締役社長の林戸達美氏は「本業を通じた社会貢献が企業の可能性を広げた。多岐にわたる事業はすべて経営理念でつながっている」と話し、常に前向きな姿勢で取り組む。
2018年10月29日
株式会社コミュニティタクシー :
岐阜県多治見市大原町5-99-3
【株式会社コミュニティタクシー HP】
- 苦難から復活し100年企業へ
(2018年4月2日) - 切磋琢磨して成長する中小企業
(2018年4月9日) - 「プラズマ世界一」を目指して
(2018年4月16日) - 仕事とスポーツを両立できる職場
(2018年4月23日) - 先を見て「次の時代」に備える
(2018年5月1日) - 時代の変化に柔軟に対応する力
(2018年5月7日) - 都会の住まい方を考える
(2018年5月14日) - 生産者と消費者を信頼で結ぶ
(2018年5月21日) - 家族のような絆でつながる
(2018年5月28日) - メロンの水耕栽培槽を開発
(2018年6月4日) - 業界の常識を疑う
(2018年6月11日) - 研究支援メーカーへの転身
(2018年6月18日) - 外部との交流で自社を知る
(2018年6月25日) - 地元産品の再評価で町起こし
(2018年7月2日) - 細く長く地域とともに
(2018年7月9日) - 森と都市をつなぐアーバンフォレスター
(2018年7月17日) - 町工場が作ったアート・オブジェ
(2018年7月23日) - 高齢者向けIoT体感ルーム
(2018年7月30日) - 商品化できないにんにくを活用
(2018年8月6日) - スタートアップ企業の飛躍
(2018年8月20日) - 新しさとぶれなさ
(2018年8月27日) - 伝統の味を若者にも
(2018年9月3日) - 印刷は楽しいものづくり
(2018年9月10日) - 経営理念の地道な実践
(2018年9月18日) - 時代に流されないしたたかさ
(2018年9月25日) - 静かさを科学し、次世代防音・吸音材を開発
(2018年10月1日) - 地域とヒトをつなぐカフェ
(2018年10月9日) - 江戸のとんぼ玉復興
(2018年10月15日) - オーガニックの本質
(2018年10月22日)
1982年愛知県生まれ。
名城大学経済学部特任助手を経て、2017年より岐阜経済大学経営学部講師に着任。日本中小企業学会幹事。駆け出しの研究者としてフィールドワークを重ね、中小企業に関する調査・研究に取り組む。