きらめき企業

空き店舗を「集う場所」に

神戸国際大学経済学部教授
中村 智彦 氏

「ただのあそび場」という奇抜なネーミングからして興味を引かれる人は多いだろう。「朝市のまち」として知られる秋田県五城目町。人口減少などの影響を受け、空き店舗が目立つ中心部の商店街に2017年11月、空き店舗を改築してオープンしたのが、この「ただのあそび場」。運営しているのは、同町のベンチャー企業であるハバタク株式会社だ。

中心になっているのは、東京などから移住してきた人たち。プロジェクトリーダーの柴田祐希氏は青森県八戸市で生まれ育ち、秋田の国際教養大学を卒業、その後、プロジェクトに参加した。クラウドファンディングで集めた費用で2階建ての空き店舗を改修、ボルダリングでよじ登れる壁、落書き自由の壁、ごろ寝しながら本や漫画を楽しめる部屋などを設けた。月曜~金曜の午後1時から6時まで、子どもも大人も自由に利用できる。

「ただのあそび場は誰にでも開かれた安心・安全で、自由を感じられる居場所としてオープンし、地域の方々と一緒に運営しています」と柴田氏。様々な教室やワークショップを開催したり、場所として貸し出したりすることで収入を得る仕組みを整えた。高齢者率の高い地方都市の商店街に、子どもたちの歓声と大人たちの笑い声が響いている。

2019年1月28日

ただのあそび場 :

秋田県南秋田郡五城目町下夕町59-6
【ただのあそび場 HP】

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中村智彦氏

1964年生まれ。
大阪府立産業開発研究所などを経て2007年から神戸国際大学経済学部教授。専門である中小企業論・地域経済論では、現地での調査・研究を重視。中小企業間のネットワーク構築や地域経済振興プロジェクトにも数多く参画している。
【凡才中村教授の憂鬱 HP】

中村智彦氏