職人の意地を示した究極の自転車
競輪選手が使用するオーダーメイド自転車を製造する株式会社マツダ自転車工場。東京都荒川区に自転車ショップと併設の工場がある。高度な技術を生かし一般ユーザー向けにも自転車を販売。職人として究極の自転車を目指す代表取締役の松田志行氏は、できの良い自転車は「芯が出ている」と言う。職人の腕の見せどころはまさに「芯出し」(前後の車輪が一直線上に並ぶようにすること)にあるのだ。
1983(昭和58)年、当時珍しかったコンピュータを使って自転車の設計を始めた。「機械を使っていかにもいい自転車を作る、という宣伝で商売上手だが、本当は質が良くない」と悪しき噂が流れてしまった。時代の最先端をいき過ぎたといえる。その噂を払拭するため、松田氏は、工業デザイナーや機械加工の職人を集めて究極の自転車を作ることを決意した。ほとんど休みなしで企画・構想に1カ月、製作に2カ月の月日を費やした。自転車職人としての意地を通して完成させた。
インターナショナルサイクルショーに出展した同社の自転車は、関係者の注目を集め、コンピュータと「芯出し」の技を併せ持つ自転車として確固たる地位を占めた。ブランド名は「LEVEL」。そのレベルの高さを示した究極の自転車は、荒川の工場に今も飾られている。
2019年2月4日
株式会社マツダ自転車工場 :
東京都荒川区東尾久1-2-4
【株式会社マツダ自転車工場 HP】
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1968年生まれ。
テレビ朝日「ニュースステーション」やフジテレビ「ニュースJAPAN」の報道ディレクターとして活躍。多くの経済番組も制作。
現在、中小企業診断士として企業や商店街などの経営相談、支援活動を行うとともに企業向けの動画制作講座の講師も務める。株式会社プラウドコンサルティング代表取締役。一般社団法人板橋中小企業診断士協会代表理事。
【株式会社プラウドコンサルティング HP】