昭和の香り漂う喫茶店 今では貴重な観光資源
東洋大学経営学部教授
山本 聡 氏
山本 聡 氏
新潟県燕市の純喫茶ロンドン。昭和の香りが漂う外観と洒脱な店内の内装が特徴のこの店は1967(昭和42)年5月5日に開店した。マスターの吉野昌英氏(70歳)が母親とともに、父親が経営していたパチンコ店を改装し、喫茶店にした。店名は母親の憧れの地、イギリスの首都ロンドンからつけた。
吉野氏は当時、高校を卒業したばかりの18歳。開店当時から非常に繁盛した。妻の吉野春江さんもロンドンの初期の常連。ナポリタン好きでよく食べに来ていたことが縁になり、1973(昭和48)年に結婚したという。
開店当時からメニューはほぼ変わっていない。人気はナポリタン、卵サンド、チョコレートパフェ、レモンスカッシュ、プリンアラモードと懐かしい品々が並ぶ。1988(昭和63)年に導入したインベーダーゲームも現役で、レトロ感の醸成に一役買っている。
今も昔からの常連客が子や孫と訪れる同店。また、そのレトロ感が受けて、地元のグルメ雑誌やネットニュースによく取り上げられ、観光客も来店する。イタリア人観光客がナポリタンを食べに立ち寄ったこともあるとか。燕市役所観光振興室長の梨本信宏氏は「ロンドンは燕市の重要な観光資源のひとつ」と語る。
2019年6月17日
純喫茶ロンドン :
新潟県燕市燕4436
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1978年生まれ。
機械振興協会経済研究所、東京経済大学経営学部専任講師・准教授を経て2019年4月から東洋大学経営学部教授 (担当は中小企業経営論)。金型や部品加工など素形材産業を主な対象としながら、国内外の中小企業の経営体制の変化を解明することが研究テーマ。経営者や技術者向けにレポートを執筆するほか、さまざまなセミナー講師も務める。