きらめき企業

農業を通じた地域活性化
地場建設会社の挑戦

玉川大学
経営学部准教授
長谷川 英伸 氏

兵庫県豊岡市で建設業を営む株式会社巴建設。大阪から生まれ故郷の豊岡市にUターン就職し、2代目として社業を継いだ代表取締役社長の新免将氏は地域の衰退を危惧し、「地域の安全・安心・便利を基本に、事業活動を通じて関係者すべての社会的利益を追求」するという理念を掲げ、企業成長とともに地域活性化への貢献も目指す意欲的な経営者だ。

そうした理念を実現するため、異業種となる農業生産法人 株式会社Teamsを設立。豊岡市でも有休農地が増えており、Teamsは農地を借り上げ農作物を生産・販売することで地元農業の支援を目指している。

Teamsは独自の循環型農業モデルも構築。①県内産液肥・地域循環有機資材を使用してTeamsが栽培、②産直ショップや地元スーパー、ネットなどで販売、③排出事業者(スーパー・飲食店)や一般家庭から出る食品残渣を処理業者が回収、④液肥製造プラント事業者が微生物発酵によりアミノ酸主体の土壌活性液肥を製造といったサイクルを地域企業とともに展開し、経済的価値を創出するモデルである。

農業を通して地域活性化を具現化する「地域になくてはならない企業」を追求しているのである。

2019年10月28日

株式会社巴建設 :

兵庫県豊岡市日高町332
【株式会社巴建設 HP】

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プロフィール 長谷川英伸

1982年生まれ。
2013年玉川大学経営学部助教、2018年から准教授。専門分野は中小企業の企業間関係。特に中小企業間のネットワークから生み出される新製品、新サービスのプロセスについて分析し中小企業の存立維持可能な要因を模索している。中小企業経営のセミナーなどの講師も務める。

長谷川英伸