きらめき企業

お茶どころ静岡の
リーディングカンパニー

東洋大学経営学部教授
山本 聡 氏

1933(昭和8)年創業の丸山製茶株式会社(静岡県掛川市)は従業員数が88人と規模が大きく、静岡を代表する製茶企業のひとつ。県内製茶業界では、新たな国内販路開拓や海外輸出の先駆者として知られる。

代表取締役社長の丸山勝久氏は今後、国内のお茶消費量が減退していくことを予見したうえで、自社のお茶を消費者に直接届けるため1990年代に通信販売を開始した。当時の同県茶業界では異例の発想だった。また、交友関係のあった台湾の製茶企業が世界中に小売店を出店してお茶を輸出しているのを見聞し、同社も2003年から海外事業を開始。国際経験のある人材も社外から獲得し、製茶企業としては珍しく海外事業部も設立した。九州のお茶農家を開拓し、無農薬の茶葉を調達するといった先駆的な事業活動も展開し、現在ではドイツ、アメリカ、スイス、台湾、フランス、スペインなどにお茶を輸出し、海外輸出が売り上げの2割を超えるまでに至っている。

さらに他社との連携による様々な新事業も展開している同社。そのひとつが県内の他の製茶企業と共同で設立した静岡オーガニック抹茶株式会社。この新会社を通じて抹茶の海外輸出に傾注している。

2019年12月9日

丸山製茶株式会社 :

静岡県掛川市板沢510-3
【丸山製茶株式会社 HP】

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山本聡

1978年生まれ。
機械振興協会経済研究所、東京経済大学経営学部専任講師・准教授を経て2019年4月から東洋大学経営学部教授 (担当は中小企業経営論)。金型や部品加工など素形材産業を主な対象としながら、国内外の中小企業の経営体制の変化を解明することが研究テーマ。経営者や技術者向けにレポートを執筆するほか、さまざまなセミナー講師も務める。

山本聡