「娘の足に合う靴を」が
靴作りの原点に
神戸国際大学経済学部教授
中村 智彦 氏
中村 智彦 氏
東京都北区のダイナス製靴株式会社。北区役所そばのおしゃれなビルが本社と工房だ。ショールームには、この工房で作られた靴が並べられている。ダイナス製靴は、百貨店や通販などで既成の靴を販売しているが、真骨頂はオーダー靴にある。
「靴メーカーの娘なのに、足に合うものがないと父に文句を言ったのです」そうほほ笑むのは現代表取締役社長の水野まり子氏だ。創業者である父の菊地武男氏は工作機械製造を経て戦後、靴の小売り・卸業を始めた。当初は仕入れや外注製造を行っていたが、「娘の足に合う靴を」という父の思いから自社製造に乗り出した。足を測定し、木型を作り、そして靴を作るというフルオーダーメイドに進出したのは1984(昭和59)年のことだ。足に障がいを持つ人は多く、また自分の足に合わない靴を無理に履くため、痛みや不具合を我慢している人も少なくない。同社のフルオーダー靴でそんな人たちが長年の悩みを解決した。
「娘の私が納得する靴というのが最初ですから、足に負担がかからず、そしておしゃれな靴を作っています」とまり子氏。婦人靴はもちろん、紳士靴もあり、その履き心地から百貨店や通販でも人気。その原点は、「娘が履く靴」にあった。
2019年12月23日
ダイナス製靴株式会社 :
東京都北区王子本町1-5-13
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(2019年12月9日)
1964年生まれ。
大阪府立産業開発研究所などを経て2007年から神戸国際大学経済学部教授。専門である中小企業論・地域経済論では、現地での調査・研究を重視。中小企業間のネットワーク構築や地域経済振興プロジェクトにも数多く参画している。
【凡才中村教授の憂鬱 HP】