きらめき企業

多様な形の国際化で
事業領域の拡大を推進

東洋大学経営学部教授
山本 聡 氏

洋食器をはじめ、機械金属関連の製造企業が集積する新潟県燕市。有限会社イワセもそんな企業の1社で、アルミ、黄銅、鉄、ステンレス、樹脂といった様々な素材に関して、φ3~φ200(直径3㎜~200㎜)の精密旋盤加工を得意とする。

同社は1964(昭和39)年に東京で設立し、1972(昭和47)年に新潟に工場を移転した。代表取締役を務めるのは大手電機企業の工場でパソコンの生産管理を経験した後、イワセに入社した瀬戸光一氏。2011年に地元の企業経営者に誘われてタイの工業団地を視察し、海外に視線を向けるようになった。

2012年には東南アジア最大の製造業見本市であるタイのメタレックスに出展し、次いで隣国ベトナムのメタレックスにも出展。同時期に新潟大学のベトナム人留学生を初めての新卒かつ工学部卒の人材として雇用し、その後初の管理職になった。さらに国内の見本市で知り合った台湾企業と技術連携し、台湾で生産された「どこでも給湯器」、「どこでも節水器 ふれま栓」、「お茶の香・再才」(安全靴専用インソール)を独占販売している。同社は人材や技術、事業内容など多様な形で国際化を図り、ビジネスの幅を広げている。

2022年4月4日

有限会社イワセ

新潟県燕市吉田法花堂1965-2
【有限会社イワセ HP】

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山本聡

1978年生まれ。
機械振興協会経済研究所、東京経済大学経営学部専任講師・准教授を経て2019年4月から東洋大学経営学部教授 (担当は中小企業経営論)。金型や部品加工など素形材産業を主な対象としながら、国内外の中小企業の経営体制の変化を解明することが研究テーマ。経営者や技術者向けにレポートを執筆するほか、さまざまなセミナー講師も務める。

山本聡