きらめき企業

段ボールから夢をカタチに
人々の幸せを守る製品を開発

東洋大学経営学部教授
山本 聡 氏

閑静な住宅街の中で、多くの町工場が操業している東京都葛飾区四つ木。1959(昭和34)年創業の有限会社坪川製箱所もそうした町工場のひとつとして段ボールの製造・販売を主力事業としている。公式ウェブサイトのトップに「段ボールから夢をカタチにする会社」と書かれているとおり、新たな発想のオリジナル段ボール製品を次々に開発してきた同社。そこには社会貢献への思いも強く介在している。

端緒になったのは、東日本大震災だった。「避難所で生活している人たちのために何かできることはないのか」と考えた専務取締役の坪川恵子氏が被災者の体験談を踏まえ、救急セット入りの「段ボール箱まくら」を開発。その後、子どもたちが好きな色に塗ることができるロールペーパーBOX「もくもくイエー」や、中に入って遊べる組み立て式の「段ボールハウス」、新型コロナ感染防止のための「お子様用パーテーション」、「コロナ対策避難所用パーテーション」などを世に送り続けた。これらの製品を携えて、地域の防災訓練にも積極的に参加している。

2017年に「段ボール箱まくら」が葛飾ブランドに認定され、2019年には会社としての姿勢が勇気ある経営大賞奨励賞を受賞。人々の幸せに貢献するアクティブ中小企業だ。

2021年10月25日

有限会社坪川製箱所

東京都葛飾区東四つ木1-22-23
【有限会社坪川製箱所 HP】

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山本聡

1978年生まれ。
機械振興協会経済研究所、東京経済大学経営学部専任講師・准教授を経て2019年4月から東洋大学経営学部教授 (担当は中小企業経営論)。金型や部品加工など素形材産業を主な対象としながら、国内外の中小企業の経営体制の変化を解明することが研究テーマ。経営者や技術者向けにレポートを執筆するほか、さまざまなセミナー講師も務める。

山本聡