きらめき企業

安全で安心な食肉を
信用と信頼の関係から

岐阜協立大学経営学部専任講師
大前 智文 氏

岐阜県岐阜市で、地元の「飛騨牛」をはじめとした牛・豚・鶏の食肉加工・卸・小売り・通販事業を営むだるまミート株式会社。仕入れから加工、配送までの一貫体制と1,000種類を超えるきめ細かなオーダーメイド製品によって外食産業を支えている。

岐阜市中央卸売市場内の精肉店として1976(昭和51)年に設立。外食・ホテルを中心としたオーダーメイド対応の卸売りで業績を伸ばした。2000年ごろ現代表取締役の宮森八伸氏が事業を継承する中で、トップダウン型の経営・事業体制の限界を痛感。食肉の「安全・安心」に加え、人間に関係する「信用・信頼」をビジネスの中心に据え、抜本的な組織改革を進めた。個人面談や「より良い職場」の実現に向けた率直な意見交換から始まり、従業員が参画する、議論に基づいたボトムアップ型の組織を苦心の末に構築。従業員との「信用・信頼」に基づく全社体制の改善提案や営業活動が次々に生まれ、顧客との「信用・信頼」を得ることに成功。新たな成長のステージを迎えた。

宮森氏は「新型コロナ禍でも従業員の皆さんが『何とかしなければ』と打開策を考え、動いてくれていることがありがたい」と話し、この苦境を仲間とともに乗り越える決意だ。

2021年2月22日

だるまミート株式会社

岐阜県岐阜市西川手6-2
【だるまミート株式会社 HP】

過去記事一覧

大前智文

1982年愛知県生まれ。
名城大学経済学部特任助手を経て、2017年より岐阜経済大学(現・岐阜協立大学)経営学部講師に着任。日本中小企業学会幹事。駆け出しの研究者としてフィールドワークを重ね、中小企業に関する調査・研究に取り組む。

大前智文