きらめき企業

カーラッピングという
新たな市場を開拓

東洋大学経営学部教授
山本 聡 氏

1987(昭和62)年に創業し、看板デザインを企画・製作している岐阜県各務原市の株式会社デザインラボ。2代目代表取締役社長の苅谷伊(ただし)氏は自動車をフィルムシートで飾る「カーラッピング」を事業化した。

スイス・ジュネーブのモーターショーでカーラッピングを知り、趣味のカーレースで、自分の車を看板用フィルムで装飾。これが仲間内で評判になったことから、市場ニーズがあると感じて、2007年にPPF(ペイント・プロテクション・フィルム)事業を始動、カーラッピング事業を始めた。

しかし、その直後にリーマン・ショックが発生。苅谷氏はより広い市場を求めて、アメリカ・ラスベガスで開かれる自動車カスタムショー「SEMA SHOW」など海外見本市に参加。当初は出展者に話しかけてニーズを探るなど消極的な営業姿勢だったが、自社のラッピング技術を世界に発信し、人脈を構築しようと、世界のラッピング・コンテストへの参加を始めた。その結果、2017年のタイ・バンコクのコンテストでの3位入賞を経て、2018年のアメリカ・ロングビーチの「Wrap Olympics」で念願の優勝を果たした。

同社はこれらの実績を基盤に、カーラッピング事業で海外市場を切り開いている。

2020年8月3日

株式会社デザインラボ :

岐阜県各務原市川島小網町2146-42
【株式会社デザインラボ HP】

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山本聡

1978年生まれ。
機械振興協会経済研究所、東京経済大学経営学部専任講師・准教授を経て2019年4月から東洋大学経営学部教授 (担当は中小企業経営論)。金型や部品加工など素形材産業を主な対象としながら、国内外の中小企業の経営体制の変化を解明することが研究テーマ。経営者や技術者向けにレポートを執筆するほか、さまざまなセミナー講師も務める。

山本聡