きらめき企業

地元の資源を発掘・活用した
商品戦略で地域活性化を目指す

玉川大学
経営学部准教授
長谷川 英伸 氏

1953(昭和28)年に味噌卸小売業として創業し、業務用酒類・調味料・飲料の卸販売をメインに事業展開する埼玉県川口市の株式会社アライ。

近年は、地域資源を活用した商品開発を志向し、川口クラフトビール、埼玉ご当地サイダー、川口御成道純米酒などを商品化した。地元の原材料にこだわって生産者とのネットワークを構築し、時の流れの中で風化していた地域の食文化を復活させている。自家醸造ビールとピザなどを出す川口ブルワリーも直営し、地域住民に地産地消の魅力を発信している。

新型コロナウイルスの感染拡大で飲食店での酒類提供が制限されていた時期には、同社の酒類販売も苦戦していたが、EC(電子商取引)サイトでビールセットなどの家飲み商品を展開し、しのいできた。その後は、地域で減農薬野菜を生産している農家とネットワークを築き、産地で集荷・出荷できる組織をつくろうとしている。「ご当地野菜」のブランド化を自社の商品開発(野菜の加工食品など)にもつなげ、川口ブルワリーで提供して付加価値を生み出す戦略だ。地域資源を発掘して商品化し、地域住民に販売する。一貫してそんなビジネスモデルで地域活性化を目指している。

2022年2月21日

株式会社アライ

埼玉県川口市本町4-1-8 川口センタービル1階
【株式会社アライ HP】

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プロフィール 長谷川英伸

1982年生まれ。
2013年玉川大学経営学部助教、2018年から准教授。専門分野は中小企業の企業間関係。特に中小企業間のネットワークから生み出される新製品、新サービスのプロセスについて分析し中小企業の存立維持可能な要因を模索している。中小企業経営のセミナーなどの講師も務める。

長谷川英伸