きらめき企業

機敏なフットワークの
グローバル製茶メーカー

駒澤大学経済学部准教授
大前 智文 氏

静岡県静岡市で各種包装茶・ティーバッグ製品の製造・販売、原料茶の卸売りなどを営む丸善製茶株式会社。機敏なフットワークから海外進出を志向し、現地企業との協業による合弁事業をタイとモロッコで展開するグローバルな製茶メーカーだ。

静岡茶の卸売り会社として1948(昭和23)年に創業。密封性の高い小袋に詰めた「包装茶」を日本で最初に取り扱うとともに専門店以外にも販路を拡大し、業界の時流をつかんだ。また、有機JASやISOの認証取得にもいち早く対応し、お茶に期待される「安心と健康」にも気を配った。

近年の国内需要の減退を契機として海外事業展開を模索。試行錯誤と巡り合わせを経て、2014年にタイに合弁会社を設立し、日本の製法による緑茶の現地生産・販売に成功した。続けて、日本の製茶メーカーとして初進出したモロッコでは欧州や中東向け製品の加工・製造を本格稼働させ、お茶の世界市場に参入した。

代表取締役の古橋克俊氏は「数多ある国内製茶メーカーの『横並び』からどのように抜け出すか。日本のお茶産業が持つポテンシャルを最大限に活かし、成長を続ける海外市場にチャンスを見いだしたい」と話し、世界の大舞台での躍動を期す。

2022年2月7日

丸善製茶株式会社

静岡県静岡市駿河区丸子新田314
【丸善製茶株式会社 HP】

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大前智文

1982年愛知県生まれ。
名城大学経済学部特任助手、岐阜協立大学経営学部講師を経て、2021年4月から駒澤大学経済学部准教授。日本中小企業学会第14期理事。フットワークの軽さを信条として、理論と現実との絶え間ない行き来から中小企業に関する調査・研究に取り組む。

大前智文