きらめき企業

町工場が地域内の企業や団体と
共同で開発したアウトドア商品

神戸国際大学経済学部教授
中村 智彦 氏

新型コロナ禍の生活で、ブームになったもののひとつがアウトドアだ。キャンプはもちろん、ベランダや屋上で料理をするといった「プチアウトドア」も人気。そこで多くの人がアウトドアグッズにこだわるようになった。

東京都八王子市の有限会社小沢製作所は60年近い社歴を持つ精密板金会社。代表取締役の小沢達史氏は精密板金の技術を生かし、アウトドア用品に進出した。「自社ブランドを持ち、新しい柱に育てていきたいと考えました」と小沢氏は話す。

ブランド名は「OZOPS(オズオプス)」。小沢氏は八王子市内のNPO法人や他企業と連携して商品を企画・製造・販売。その第1号商品が、アウトドア調理器具のメスティン専用の小型ストーブ「M8ストーブ」だ。固形燃料を使い、簡単な調理ができる。さらに、LEDランタンにかぶせると、精密なレーザー切断により切り出されたシェードから光と影が漏れ出し、テーブルやテント内を影絵が彩る「クラフトシェード」も開発した。

「海外からも引き合いがきています。日本の技術で作ったアウトドア商品を世界に広げたい」と小沢氏。「気軽に使えること、ローカルベース開発であること、リサイクル材料であること」の3つを理念に掲げ、新しい市場を創造している。

2024年1月15日

OZOPS(有限会社小沢製作所)

東京都八王子市美山町2161-6
【OZOPS(有限会社小沢製作所) HP】

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中村智彦氏

1964年生まれ。
大阪府立産業開発研究所などを経て2007年から神戸国際大学経済学部教授。専門である中小企業論・地域経済論では、現地での調査・研究を重視。中小企業間のネットワーク構築や地域経済振興プロジェクトにも数多く参画している。
【中村智彦(オフィシャルページ)】

中村智彦氏