きらめき企業

研究開発と人材育成で
特殊銅合金を国内生産

西武文理大学サービス経営学部教授
藤野 洋 氏

大和合金株式会社(東京)と三芳合金工業株式会社(埼玉)は特殊銅合金を製造する業歴80年超のグループ企業。三芳が溶解・鋳造・鍛造、大和が機械加工・製品検査・梱包・出荷を担う。自社開発の「NC合金」は人体への影響が懸念されるベリリウムを含有しないことに加え、熱伝導性と硬度など、銅合金に求められる特性を高いレベルで兼備している。

主要販売先は国内大手企業や海外を含めて400社超。用途は自動車、航空機、船舶、鉄道、金型、半導体、海底光ファイバーケーブルなど多岐にわたり、ITER(国際熱核融合実験炉)計画にも参画している。

当社の研究開発力の源泉は、著名な研究者を顧問とする勉強会、従業員の博士号取得支援、高齢者雇用による技能承継などのきめ細かい人材育成策にあり、親子2代やきょうだいで働いている従業員も数多い。

経済産業省の「地域未来牽引企業」(2017年)、中小企業研究センターの「グッドカンパニー大賞特別賞」(2022年度)などを受賞。先進的で独自性のあるモノづくりへの評価が高い。両社の代表取締役社長である萩野源次郎氏は「特殊銅合金というニッチな業界で世界ナンバーワンを目指す」と話す。

2023年6月12日

大和合金株式会社

東京都板橋区前野町2-46-2

三芳合金工業株式会社

埼玉県入間郡三芳町上富508
【大和合金株式会社/三芳合金工業株式会社 HP】

過去記事一覧

藤野洋氏

1962年生まれ。
商工中金を経て2010年から商工総合研究所に勤務。主任研究員として中小企業の産業・金融構造の調査研究に従事。2014年に一橋大学大学院国際企業戦略研究科経営法務専攻博士課程を修了。2020年より西武文理大学サービス経営学部教授。専門は中小企業論、CSR·SDGs、企業統治など。

藤野洋