きらめき企業

中古車部品をリサイクル
静脈産業のパイオニア

西武文理大学サービス経営学部教授
藤野 洋 氏

石川県金沢市の会宝産業株式会社は、中古自動車部品の輸出、国内での自動車リサイクル業者とのネットワークの拡大、自動車リサイクル事業の世界展開の3つが主力事業。廃棄された中古車を解体し、素材(鉄鋼など)や部品(エンジンなど)を回収し世界的にリサイクルさせている。

世界中に拠点を設け、中古自動車部品の海外オークション市場と国内トラックのネットオークション市場も開設。なお、当社が独自に作成した中古エンジンの品質評価規格(JRS)付きで海外市場に出品したエンジンは、落札者が稼働確認を省略するほど信頼度が高い。事業を支えているのが、自社開発の基幹業務統合管理システム(KRAシステム)である。

国内外の連携企業もアクセスでき、世界的バリューチェーンの「プラットフォーム」として機能しており、取引国数は約90に及んでいる。

静脈産業のパイオニアとして自動車リサイクルの世界的なリーダー役を果たし循環型社会の実現に貢献していることが認められて、2018年に政府主催のジャパンSDGsアワードで外務大臣表彰を受けた。代表取締役社長の近藤高行氏は「子どもたちに美しい地球を残すために挑戦を続ける」と話す。

※使用済み製品を回収し、再使用、再生利用、適正処分を行う産業。

2022年12月12日

会宝産業株式会社

石川県金沢市東蚊爪町1-25
【会宝産業株式会社 HP】

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藤野洋氏

1962年生まれ。
商工中金を経て2010年から商工総合研究所に勤務。主任研究員として中小企業の産業・金融構造の調査研究に従事。2014年に一橋大学大学院国際企業戦略研究科経営法務専攻博士課程を修了。2020年より西武文理大学サービス経営学部教授。専門は中小企業論、CSR·SDGs、企業統治など。

藤野洋