きらめき企業

家庭料理の「おいしい」を
彩る豆腐・油揚げ

駒澤大学経済学部准教授
大前 智文 氏

愛知県名古屋市で豆腐・油揚げ・豆腐加工品の製造・卸売業を営む株式会社川原。国内外の契約農家が栽培した各種大豆と木曽川水系の地下水を組み合わせたこだわりの製品は、家庭料理の「おいしい」を彩る。「日本一旨い豆腐を決める」として2015年から始まった全国豆腐品評会にも積極的に参加。各部門で入賞を果たし、全国的に高い評価を得ている。

1940(昭和15)年に「街の豆腐・油揚げ店」として創業。食品スーパーの台頭・チェーン展開に呼応して事業を拡大。2003年に現在の場所に工場を移転し、機械設備・衛生管理を強化。近年では社会・経済の大きな変動の中で、毎日の食卓に必要不可欠な「ちゃんとした豆腐・油揚げ」の安定供給と、業界内の過当競争からの脱却に苦心を重ねる。事業・製品への実直な姿勢は全国豆腐品評会という専門家の審査を受ける晴れ舞台での高評価にも結実している。

2017年に4代目として後を継いだ代表取締役の川原匡博氏は「豆腐・油揚げは差異化が難しい一方で、大豆・水という原材料や製法が旨みや風味に直結する。ご家庭の『おいしいね』という当たり前の風景や食文化をつくっている重責を感じる」と話し、日々努力を重ねている。

2022年5月9日

株式会社川原

愛知県名古屋市昭和区村雲町16-6
【株式会社川原 HP】

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大前智文

1982年愛知県生まれ。
名城大学経済学部特任助手、岐阜協立大学経営学部講師を経て、2021年4月から駒澤大学経済学部准教授。日本中小企業学会第14期理事。フットワークの軽さを信条として、理論と現実との絶え間ない行き来から中小企業に関する調査・研究に取り組む。

大前智文