きらめき企業

人材育成とICTで飛躍
高生産性サプライヤー

西武文理大学サービス経営学部教授
藤野 洋 氏

業歴70年を超す東京都青梅市の武州工業株式会社は金属加工部品・板金・プレスなどを営み、大手の自動車・光学機器メーカーを主要取引先としている。受注後48時間以内での多品種納品が原則のため、生産性の向上を重視している。これを支えているのが「1個流し生産方式」。1人の技術者が材料調達から加工、品質管理、出荷管理までを担う多能工生産であり、製品の形状に合わせて内製化した小型の設備を扇形にレイアウトして加工を行う生産体制である。

生産性向上のために、人材育成とICT(情報通信技術)の活用に注力。人材育成については、若手社員に早期に高いスキルを習得させ、ISO(国際標準化機構)の内部監査員育成などの外部資格取得も奨励している。

ICTの活用については、第一に自社開発システムで受注・部品発注・在庫・出荷管理などの情報を一元管理しており、第二に生産現場向けのスマートデバイス用アプリも開発した。更に、製品検査へのAI(人工知能)の活用も本格化させつつある。

現相談役の林英夫氏は、息子に社長職を譲った後もITコーディネータの資格を取得。社内にもITコーディネータを増やし、一層の生産性向上を目指している。

2022年9月20日

武州工業株式会社

東京都青梅市末広町1-2-3
【武州工業株式会社 HP】

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藤野洋氏

1962年生まれ。
商工中金を経て2010年から商工総合研究所に勤務。主任研究員として中小企業の産業・金融構造の調査研究に従事。2014年に一橋大学大学院国際企業戦略研究科経営法務専攻博士課程を修了。2020年より西武文理大学サービス経営学部教授。専門は中小企業論、CSR·SDGs、企業統治など。

藤野洋