きらめき企業

「卸の精神」と「エコ窓」で
脱炭素と地域活性化に貢献

西武文理大学サービス経営学部教授
藤野 洋 氏

1928(昭和3)年創業のマテックス株式会社(東京都)は代表取締役社長の松本浩志氏のもと、ガラス・サッシなどの卸売り、樹脂窓などの製造加工、ガラス・サッシ販売店や工務店の支援を行っている。社長就任と同時に松本氏は①窓をつうじて社会に貢献する、②「卸の精神」を貫く、③信用を重んじ誠実に行動する、④浮利を追わず堅実を旨とする、⑤人間尊重を基本とする、という新経営理念を制定した。

これは、バブル崩壊後の「中抜き」による商流の乱れが地域のガラス店・工務店を疲弊させ、住民にとってもコスト高となっていたことから、商流の回復が「卸の精神」であるとの認識を反映している。事業の柱が「エコ窓」(特殊ガスが充填されたペアガラスの窓)の普及。脱炭素と住民の健康、エネルギーコスト削減に役立ち、地域のガラス販売店や工務店の経営改善を通じた地域活性化にも寄与する窓だ。

人材育成やワーク・ライフ・バランスにも力を入れ、「低炭素杯2012」最優秀家庭エコ活動賞、「先進的なリフォーム事業者表彰」(2015年)、健康経営優良法人」認定 (2021年~) など高い評価を得ている。松本氏は「『窓から日本を変えていく』を使命と受け止め、未来を拓く世代に持続可能な社会を受け渡すために全力で挑む」と語る。

2023年9月11日

マテックス株式会社

東京都豊島区上池袋2-14-11
【マテックス株式会社 HP】

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藤野洋氏

1962年生まれ。
商工中金を経て2010年から商工総合研究所に勤務。主任研究員として中小企業の産業・金融構造の調査研究に従事。2014年に一橋大学大学院国際企業戦略研究科経営法務専攻博士課程を修了。2020年より西武文理大学サービス経営学部教授。専門は中小企業論、CSR·SDGs、企業統治など。

藤野洋