きらめき企業

会社を変えるのは
「社員一人ひとりの力」

駒澤大学経済学部准教授
大前 智文 氏

長野県上伊那郡宮田村、中央アルプス木曽駒ヶ岳の麓で医療機器(内視鏡・外科用医療機器)、光学機器(顕微鏡)の精密部品加工と組み立て事業を営む株式会社マスダ。「命を守る」産業の高度な精度・品質要求に対応するとともに、日々の人材育成を通じた技術力の向上を図る先進企業である。

切削加工業として1962(昭和37)年に創業し、当該地域の精密機械・光学機器メーカーとの取引を通じて量産加工へと企業規模を拡大。しかし、2000(平成12)年ごろから量産加工が海外移転・価格競争を強いられる中で企業としての生まれ変わりを決断した。具体的には、高精度・難削材加工を多品種少量かつ短納期で実現する「誰もできないような仕事」に活路を見いだし、この難局・難題に対して果敢に挑戦する人材の育成に注力。その結果、大手取引メーカーから求められる高レベルの案件・要求に対し、社内完結で即応できる国内外の体制を確立することに成功した。

代表取締役社長の増田博氏は「社会や時代とともに、会社も柔軟に変化し続けることが求められる。会社を変化させることができるのは『社員一人ひとりの力』であり、人材育成が最も重要」と話し、スキルアップに加え、誇りや責任、情熱や挑戦心を育むことを目標に掲げる。

2024年2月26日

株式会社マスダ

長野県上伊那郡宮田村6689-1
【株式会社マスダ HP】

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大前智文

1982年愛知県生まれ。
名城大学経済学部特任助手、岐阜協立大学経営学部講師を経て、2021年4月から駒澤大学経済学部准教授。日本中小企業学会第14期理事。フットワークの軽さを信条として、理論と現実との絶え間ない行き来から中小企業に関する調査・研究に取り組む。

大前智文