日本の問題

2050年の世界

青山学院大学特別招聘教授、元財務官
榊原英資氏

2050年の世界については英エコノミスト誌なども予測しているが、アメリカのコンサルティング会社、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の予測によると、PPP(購買力平価)ベースで、中国のGDPが58兆4,990億米ドルで世界のトップ、インドがそれに次ぐ44兆1,280億米ドルでナンバー2とされている。PPPベースでは2016年でも中国のGDPはアメリカのそれを上回っているが、2050年までにインドがアメリカを抜きナンバー2になるとされている。

PwCによると2016~2050年の年平均の実質GDP成長率(現地通貨)のトップはベトナムの5.0%。インド(4.9%)、バングラデシュ(4.8%)、ナイジェリア(4.2%)などがそれに続く。

今後2050年にかけて、東南アジア、南アジア、そしてアフリカ諸国の成長率が高いとされているのだ。

同期間中の日本の平均成長率は0.9%、GDP順位は2016年の4位から2050年には8位にダウンすると予測されている。過度に悲観する必要はないが、この現実は直視する必要がある。

2017年11月27日

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榊原英資 さかきばらえいすけ氏

1941年生まれ。
1965年大蔵省(現財務省)入省。東海財務局長、大臣官房審議官(国際金融局担当)、国際金融局次長、国際金融局長を経て1997~1999年財務官。現在は青山学院大学特別招聘教授、財団法人インド経済研究所理事長。
【財団法人インド経済研究所HP】

榊原英資氏