日本の問題

7%成長を続けるインド

青山学院大学特別招聘教授、元財務官
榊原英資氏

1980年から2011年まで平均約10%の経済成長を続けてきた中国が7%台、さらに6%台に成長率を落とす中、インドは逆に1980年から2011年までの年平均6%台前半の成長を加速し、2014年約7.18%、2015年約7.93%、2016年約6.83%、2017年の予測約7.18%と、6%台後半~7%台の成長を続けている(数字はいずれも2017年4月のIMF「世界経済見通し」)。

中国が次第に人口減少・高齢化の局面に入っていくのに対し、インドは人口が増加し続け、しかも若年層の比率が大きい。

IMF「世界経済見通し」では、2016年時点では、中国の人口は約13億8271万人とインドの約13億935万人を上回って世界トップだが、国連の世界人口推計2015年改訂版の予測によると、2050年にはインドが約17億533万人に達するのに対し、中国は13億4806万人と、大きく下回る。こうした人口の増加、しかも若年層を中心とする生産年齢人口の増加を背景にインドは成長率を加速させており、少なくともあとしばらくは7%台の成長を維持するだろう。

2017年6月12日

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榊原英資 さかきばらえいすけ氏

1941年生まれ。
1965年大蔵省(現財務省)入省。東海財務局長、大臣官房審議官(国際金融局担当)、国際金融局次長、国際金融局長を経て1997~1999年財務官。現在は青山学院大学特別招聘教授、財団法人インド経済研究所理事長。
【財団法人インド経済研究所HP】

榊原英資氏