「食品ロス」を減らすには
ジャーナリスト
蟹瀬 誠一 氏
蟹瀬 誠一 氏
日本では賞味期限切れで廃棄された食品がひそかに転売されていたことが発覚し大騒ぎとなったが、デンマークの首都コペンハーゲンでは世界初の賞味期限切れ食品専門スーパーがオープンして話題となっている。開店当日の2月22日にはデンマークの女王や環境食糧大臣まで駆けつけたという。
「WeFood」と名付けられたこのお店では包装に傷や汚れがあって通常のスーパーが取り扱わない食品も格安で販売されていて、評判は上々だという。運営しているのはホームレスを支援する非営利団体と慈善団体。利益は飢餓に苦しむ国々への援助に回される。素晴らしい試みではないか。
現在、世界では毎年約13億tの食料が廃棄され、そのかなりの部分がまだ食べられる「食品ロス」であるため、欧州では食料廃棄量を削減しようとの機運が高まっている。
一方、日本では食料全体の半分以上の5600万tを輸入しながら、年間約1700万~1800万tを廃棄。そのうち、約500万~800万tは「食品ロス」だという。実に愚かしい話である。賞味期限切れとは消費期限(食品を安全に食べられる期限)切れではないのだ。
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1950年、石川県生まれ。
上智大学文学部新聞学科卒業後、アメリカAP通信社記者、フランスAFP通信社記者、アメリカTIME誌特派員を経て、1991年TBS「報道特集」キャスターとしてテレビ報道界に転身。国際政治や経済、文化に詳しく、現在もテレビ東京「マネーの羅針盤」メインキャスターなどを務める。