格差社会アメリカ
2014年のアメリカの名目GDPは約17兆3480億ドルで世界ナンバーワン。3位の日本(約4兆6023億ドル)の3倍以上で、1人あたりGDPの額も人口3000万人以上の国の中で1位だ。
しかし、貧富の格差も主要先進国中最も大きく、所得分配の不平等さを測るジ二係数は45.0%と世界平均の39.5%を超え、主要先進国で最高だ(2007年の係数)。ロシアや、ウガンダ、コートジボワール、セネガルなどのアフリカ諸国より高い。
しかも、このところ格差は拡大してきている。2007年のトップ1%の所得シェアは23.5%と、第2次世界大戦後最大。このシェアは大恐慌の直前、1928年の23.9%とほぼ同水準だ。企業のCEO上位100人と一般労働者の平均報酬比率は1970年には40倍だったが、近年は1000倍以上とも指摘されている。
ちなみに先のジニ係数は日本が37.9%、イギリス32.3%、フランス30.9%、ドイツ27.0%だ。主要先進国の中で日本はアメリカの次に高く、しかも近年、格差拡大が指摘されている。アメリカの問題は決して対岸の火事ではない。
2015年11月9日
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1941年生まれ。
1965年大蔵省(現財務省)入省。東海財務局長、大臣官房審議官(国際金融局担当)、国際金融局次長、国際金融局長を経て1997~1999年財務官。現在は青山学院大学教授、財団法人インド経済研究所理事長。
【財団法人インド経済研究所HP】