飛躍の源泉

日本の文化を伝える老舗企業

明治大学経営学部教授(中小企業研究)
岡田浩一 氏

1910(明治43)年に衣料品店として創業した東京都台東区の中川株式会社は現在、「浅草中屋」のブランドで、「祭り用品」販売の浅草本店と、「和雑貨・お土産品」販売の浅草仲見世店を展開している。実店舗販売に加え、祭り用品専門のオンラインショップも展開し、中屋ブランドの袢天(はんてん)、股引、鯉口、和雑貨など、お祭りに欠くことのできない各種アイテムを提供している。

少子高齢化、東京一極集中が進み、地方の衰退が危惧される今日、日本文化の象徴ともいえるお祭りにもその影響が及んでいる。そうした中、同社は、季節や地域ごとのお祭りに適した情報発信、商品提供、セール展開、さらに各地の催事場への出店などを行いながら、祭り文化の継承と地域意識の向上につながる事業を展開している。

また、近年の訪日外国人の増加や浅草人気に対応して、ニーズ把握に基づくお土産品の企画・製造・販売にも力を入れ、取り扱いの5割以上が自社製品ということでの競争優位を生み出している。

創業から1世紀余。「商いは飽きない」「お客様の顔が見える商い」「日本伝統文化の継承」を社訓として、次の100年に向かって常にチャレンジを続けている老舗企業である。

2018年3月26日

中川株式会社 :

東京都台東区浅草2-2-12
【中川株式会社 HP】

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プロフィール 岡田浩一

1962年新潟県生まれ。
2001年に明治大学経営学部教授に就任。専門分野は中小企業経営論。ロンドン大学ロイヤルホロウェイ客員研究員、日本中小企業学会理事、中小企業IT経営力大賞選考作業部会長、攻めのIT経営中小企業百選選定委員長。主な著書に「中小企業のIT経営論」など。

岡田浩一