飛躍の源泉

「草の根」の6次産業化

神戸国際大学経済学部教授
中村 智彦 氏

6次産業化という言葉がある。農業などの1次産業、製造・加工業の2次産業、商業や流通業などの3次産業を一緒にやってみようという発想だ。足してもかけても6になるから6次産業と呼んでいる。各地で様々な取り組みが行われているが、女性の活躍も目立っている。山形県川西町で農業を営む江本牧子さんはハーブが好きで、栽培して楽しんでいたが、子どもたちに安心できるものを食べさせたいと思っていたところに、町役場が6次産業推進室という部署をつくって応援してくれると聞き、加工品の製造に取り組み始めた。

山形県川西町で農業を営む江本牧子さんはハーブが好きで、栽培して楽しんでいたが、子どもたちに安心できるものを食べさせたいと思っていたところに、町役場が6次産業推進室という部署をつくって応援してくれると聞き、加工品の製造に取り組み始めた。

町の支援で加工所をつくり、自家製のハーブや野菜を使ってドレッシングやハーブ塩などを作る。安い品ではなく、きちんとしたものをきちんとした価格で売りたいと考えている。そのためにはラベルが大切と、夫が得意のデザインで作ってくれた。

江本さんは「きちんとしたものを作ると、どうしても材料費も高くなる。それでもきちんとしたものが欲しいという人たちに届けたい」と言う。そのためには、自身のまっきー菜園をブランド化しなくてはいけない。6次産業は、八面六臂(はちめんろっぴ)を求められる。ママさん起業家は今日も、子育てに、畑に、加工所に、営業に、と忙しく飛び回っている。

2017年5月8日

まっきー菜園 :

山形県東置賜郡川西町大字中小松2559
【まっきー菜園 BLOG】

過去記事一覧

中村智彦氏

1964年生まれ。
大阪府立産業開発研究所などを経て2007年から神戸国際大学経済学部教授。専門である中小企業論・地域経済論では、現地での調査・研究を重視。中小企業間のネットワーク構築や地域経済振興プロジェクトにも数多く参画している。
【凡才中村教授の憂鬱HP】

中村智彦氏