新規事業は足元から
「もくロック」というユニークな木製ブロックの玩具と独自のチャネル開発により、有名セレクトショップや海外有名展示会で話題の企業が山形県米沢市にある。電子機器部品の加工・組み立てを本業とする株式会社ニューテックシンセイ。中小機構が運営する販路開拓支援プラットフォーム「Rin crossing」の参加企業でもある。
従来の木工の概念を覆し、本業で蓄積した金属加工技術を使い、小型ブロックが重ねられるような精密な切削加工を施しながら、地元間伐材や未利用材から削り出す。代表取締役の桒原(くわばら)晃氏は、新規事業を模索する中、ふとした拍子に豊かな森の存在とその恩恵に気づき、自然の力や美しさを子どもたちに感じてほしいと願い、商品化にたどり着いたという。
かつて中小機構の経営者塾に参加していた同氏は、誠実で物静かなタイプ。当時はうかがい知れなかった行動力の裏側には、地域への思いや経営者としての真摯な姿勢がある。結果として、自社技術への確信や地域の関係者の協力につながったのだろう。その地域とのかかわりの中でいかに自社の資源を活用していくか、といった切り口は、中小企業の事業開発において重要なポイントだ。
2015年7月6日
株式会社 ニューテックシンセイ :
山形県米沢市大字花沢3075番地1
【株式会社 ニューテックシンセイ HP】
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(2015年6月29日)
1956年東京都生まれ。
中小企業施策の総合的な実施機関である独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)で、ビジネスマッチングイベント「新価値創造展」の開催や販路開拓プラットフォーム「Rincrossing」の運営などを通じて、地域中小企業の販路開拓支援の業務に携わっている。
【中小機構 HP】