事業連携の第一歩は気づきと想像力
福島県・会津若松で創業以来の漆原液製造を行うとともに、カメラやテレビのパーツといった漆工芸の枠を超えた製品も手がけ、その斬新なアイデアとデザインにより漆の新たな魅力と価値を発信し続ける老舗企業がある。
株式会社坂本乙造商店。「伝統を現代に活かす」を企業理念にものづくりを進めてきた。世界的ブランドFENDIとコラボした芸術的なバッグで話題になる一方、中小機構(独立行政法人中小企業基盤整備機構)が主催する新価値創造展内で複数の大手メーカーとの商談に追われていた同社代表取締役の坂本朝夫社長。「コラボレーションとは、自社のできることを相手に開示すれば、相手も『こうすればどう?』と、双方に気づきを与えてくれる場(K【気づき】toK)」。商品化の次のステップには、「商品の魅力を伝えるプレゼン力、製造工程の公開、品質基準のクリアが必要」とさらに語る。
中小企業が自分の技術・企画をいかに価値あるものに変えていくのか、今、まさに問われている時代。そこで、事業連携=共創による商品化・販路開拓に取り組む企業が増えている。その成功への第一歩は、自社の資源の棚卸を前提とした「気づき」と先方のアイデアを取り込むための「想像力(=イマジネーション)」であろう。
2015年5月4日
株式会社坂本乙造商店:
福島県会津若松市大町1丁目4-51
【株式会社坂本乙造商店 HP】
- ライバルとの連携で飛躍
(2015年4月6日) - 人とつながる「縁」農活動
(2015年4月13日) - 「夢」をスタートさせるビジネス
(2015年4月20日) - 「食事の楽しさ」をデザイン
(2015年4月27日)
1956年東京都生まれ。
中小企業施策の総合的な実施機関である独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)で、ビジネスマッチングイベント「新価値創造展」の開催や販路開拓プラットフォーム「Rincrossing」の運営などを通じて、地域中小企業の販路開拓支援の業務に携わっている。
【中小機構 HP】