飛躍の源泉

「食事の楽しさ」をデザイン

名城大学経済学部特任助手
大前 智文 氏

愛知県瀬戸市で家庭用や業務用の食器・関連商品を企画・デザイン・販売するマルミツ陶器合資会社。「食事を楽しむ」を基本コンセプトに、自社ブランド商品「STUDIO M’」、「SOBOKAI」、「GAREN」を展開し、業績を伸ばしている。

同社は1980年代、輸出向け陶磁器の産地問屋から、自社ブランドを有する食器メーカーに転身。きっかけは同社代表の加藤健司氏が偶然手にしたカフェオレ・ボウルだった。当時は未知の飲み物だったカフェオレを入れる食器に想像力が膨らみ、欧米のおしゃれな生活や食文化に憧れた。未知の文化への想像力や創意工夫を必要とするものづくりに共感する生産者・窯元の協力を取り付け、事業は軌道に乗った。

同社の商品には食器の使い方、料理の盛り付け方、食事に対する考え方が総合的にデザインされている。消費者との直接的なつながりを重視し、「食事の楽しさ」を広く伝えるため小売・飲食店・ウェブ通販事業を展開している。加えて、社員食堂の一般開放や料理教室などのユニークな取り組みも行っている。

自らデザイナーを務める加藤氏には「食器が料理を決める。食器が食事を楽しくする。そんな食器のチカラを広く知ってもらいたい」という強い想いがある。

2015年4月27日

マルミツ陶器合資会社:

愛知県瀬戸市弁天町207番地
【マルミツ陶器 HP】

過去記事一覧

1982年愛知県生まれ。
2013年に名城大学経済学部特任助手に就任。同年より日本中小企業学会幹事。駆け出しの研究者としてフィールドワークを重ね、中小企業に関する調査・研究に取り組む。

大前智文