小規模企業のグローバル化
東京経済大学経営学部准教授
山本 聡 氏
山本 聡 氏
株式会社ハイメックスは、コンバーティング(プラスチックフィルムなどを加工し、付加価値の高い二次製品を作り出す工程)用のエアーシャフトやロール搬送機器などを製造。食品や医薬品の包装材料、偏光フィルムやリチウム電池用セパレータといった機能性フィルムの生産ラインで用いられ、生産性向上に寄与している。同社の技術提案力は高く評価され、顧客の数は国内外3,000社以上に上る。
2代目の代表取締役である中島俊英氏は幼少時から海外へ強い興味を有し、東京都立国際高校の第1期生として入学。在学時に両親にフランス人留学生のホストファミリーになることを提案して実行。その後、米国のコロラド大学で機械工学を修めている。
1998年にハイメックスに入社した当時、主力市場である液晶業界ではグローバル化が急速に進展。韓国や台湾の企業が台頭していた。そんな中、中島氏は「小規模企業のグローバル展開」と銘打ち、台湾や韓国、米国など海外市場の開拓を積極的に進めたのである。並行して、大学と積極的に産学連携し、大学卒の開発人材も獲得。また、政府系技術研究所に生産拠点も設けた。こうした多方面の取り組みを重ねることで、同社は新たなステージへと歩を進めたのだ。
2016年6月27日
株式会社ハイメックス :
東京都東久留米市八幡町1-3-34
【株式会社ハイメックス HP】
- ライバルとの連携で飛躍
(2015年4月6日) - 人とつながる「縁」農活動
(2015年4月13日) - 「夢」をスタートさせるビジネス
(2015年4月20日) - 「食事の楽しさ」をデザイン
(2015年4月27日) - 事業連携の第一歩は気づきと想像力
(2015年5月4日) - 赤レンガ復元をブランドに
(2015年5月11日) - ブランド創りのカギは「やせがまん」
(2015年5月18日) - 地域から必要とされる
(2015年5月25日) - 「選択」の楽しさを提供
(2015年6月1日) - 身近な缶は、実はエコロジー商品
(2015年6月8日) - 日本の住宅産業を変える
(2015年6月15日) - 印刷業から出版の新市場を創造
(2015年6月22日) - 23区唯一の造り酒屋は大人気
(2015年6月29日) - 新規事業は足元から
(2015年7月6日) - 酒造りは良縁を醸すサービス業
(2015年7月13日) - 自前の超精密技術で、新事業展開
(2015年7月20日) - 隣接異業種への挑戦
(2015年7月27日) - がんばれ、日本の鋳物産業
(2015年8月3日) - 養豚経営のあり方を模索
(2015年8月10日) - 世界へ飛躍するデザイン力
(2015年8月17日) - 「こだわり」こそ武器
(2015年8月24日) - 自社の価値と位置を再認識
(2015年8月31日) - ママたちが「HAPPYに楽しむ」
(2015年9月7日) - 「課題解決」による顧客創造
(2015年9月14日) - 革新を続ける伝統企業
(2015年9月21日) - 中小企業が市場を創る
(2015年9月28日) - 鈴鹿から世界へ挑戦
(2015年10月5日) - 本場仕込みのヤギチーズ
(2015年10月12日) - こだわりの技術で市場を開拓
(2015年10月19日) - 100年マンションの実現を
(2015年10月26日) - 地域の資源をつなぐ
(2015年11月2日) - 挑戦を続ける最先端企業
(2015年11月9日) - メリヤスの草履が世界へ飛翔
(2015年11月16日) - アイデア銭湯
(2015年11月23日) - 着物を海外へ
(2015年11月30日) - 超硬金型を武器にタイで展開
(2015年12月7日) - ロボット技術で自立への道
(2015年12月14日) - 成長の秘訣は「捨てること」
(2015年12月21日) - 未来の糧の種をまく
(2015年12月28日)
- 伝統技術とデザイン力で世界へ
(2016年1月4日) - 時間を買ってもらう
(2016年1月11日) - 自動車から医療機器への参入
(2016年1月18日) - スーツ、金髪の若者が農業を変える!
(2016年1月25日) - 外部との連携で生まれた新製品
(2016年2月1日) - 世界に広がる爪切り
(2016年2月8日) - 経営資源の集中で新市場創造
(2016年2月15日) - ひらめきを具現化した「割裂工法」
(2016年2月22日) - 落語家のバー
(2016年2月29日) - 美濃と和紙を元氣に
(2016年3月7日) - 荒波を乗り越える「顧客支援力」
(2016年3月14日) - 「400年企業」の挑戦
(2016年3月21日) - 仏具販売を革新
(2016年3月28日) - 継承した技術を世界に発信
(2016年4月4日) - 過疎と戦う地域の活力源
(2016年4月11日) - 中小企業の国際化戦略
(2016年4月18日) - 「間」をとりもつ美
(2016年4月25日) - 自社製品を売る工夫
(2016年5月2日) - 地元資源のユニークな活用
(2016年5月9日) - お墓づくりで世直し・人助け
(2016年5月16日) - 自社製品開発による飛躍
(2016年5月23日) - 「時」が魅力を醸成する銅器
(2016年5月30日) - 「脱下請け体質」の効果
(2016年6月6日) - 顧客とともに日本の壁を楽しく飾る
(2016年6月13日) - 海から浜への再挑戦
(2016年6月20日)
1978年生まれ。
機械振興協会経済研究所を経て、2012年東京経済大学経営学部専任講師として着任、2015年准教授(担当は中小企業経営論)。金型や部品加工など素形材産業を主な対象としながら、国内外の中小企業の経営体制の変化を解明することが研究テーマ。経営者や技術者向けにレポートを執筆するほか、さまざまなセミナー講師も務める。
【山本聡の研究室】