外部との連携で生まれた新製品
立教大学経済学部教授(金融論)
山口 義行 氏
山口 義行 氏
生産コストの安い輸入品に押されて苦境のニット業界で注目を集めているのが、東京都墨田区にある丸和繊維工業株式会社だ。
1956(昭和31)年創業。肌着のOEM(相手先ブランドの製造)からスタートしたが、受注ロットの減少や出荷価格の低下、得意先の破たんにより経営状況が悪化。もっと戦略的に動かないと、生き残れない―。そう考えた代表取締役社長の深澤隆夫氏が取り組んだのが「動体裁断®」による究極の着心地だ。
機能系被服デザイナーの中澤愈(すすむ)氏が人体の皮膚を研究して考案したこの裁断は身体の動きにフィットし、両腕を上げても裾がめくれ上がらず、着用時に引きつれを感じさせない。この先駆的技術と、同社が長年培ってきた技術の融合で生まれた同社のポロシャツは、宇宙飛行士の山崎直子氏の船内普段着に採用され、墨田区が認証する「すみだブランド」にも選出された。
この技術を定番のドレスシャツで製品化したのが、独自ブランド「INDUSTYLE(インダスタイル)」。大手百貨店で販売されているほか、メディアに取り上げられ、高価な商品にもかかわらず飛ぶように売れている。外部との連携による新たな価値の創造。中小企業が生き残るためのカギを握っている。
2016年2月1日
丸和繊維工業株式会社 :
東京都墨田区亀沢1-8-6
【丸和繊維工業株式会社 HP】
- ライバルとの連携で飛躍
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(2015年5月4日) - 赤レンガ復元をブランドに
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(2015年5月18日) - 地域から必要とされる
(2015年5月25日) - 「選択」の楽しさを提供
(2015年6月1日) - 身近な缶は、実はエコロジー商品
(2015年6月8日) - 日本の住宅産業を変える
(2015年6月15日) - 印刷業から出版の新市場を創造
(2015年6月22日) - 23区唯一の造り酒屋は大人気
(2015年6月29日) - 新規事業は足元から
(2015年7月6日) - 酒造りは良縁を醸すサービス業
(2015年7月13日) - 自前の超精密技術で、新事業展開
(2015年7月20日) - 隣接異業種への挑戦
(2015年7月27日) - がんばれ、日本の鋳物産業
(2015年8月3日) - 養豚経営のあり方を模索
(2015年8月10日) - 世界へ飛躍するデザイン力
(2015年8月17日) - 「こだわり」こそ武器
(2015年8月24日) - 自社の価値と位置を再認識
(2015年8月31日) - ママたちが「HAPPYに楽しむ」
(2015年9月7日) - 「課題解決」による顧客創造
(2015年9月14日) - 革新を続ける伝統企業
(2015年9月21日) - 中小企業が市場を創る
(2015年9月28日) - 鈴鹿から世界へ挑戦
(2015年10月5日) - 本場仕込みのヤギチーズ
(2015年10月12日) - こだわりの技術で市場を開拓
(2015年10月19日) - 100年マンションの実現を
(2015年10月26日) - 地域の資源をつなぐ
(2015年11月2日) - 挑戦を続ける最先端企業
(2015年11月9日) - メリヤスの草履が世界へ飛翔
(2015年11月16日) - アイデア銭湯
(2015年11月23日) - 着物を海外へ
(2015年11月30日) - 超硬金型を武器にタイで展開
(2015年12月7日) - ロボット技術で自立への道
(2015年12月14日) - 成長の秘訣は「捨てること」
(2015年12月21日) - 未来の糧の種をまく
(2015年12月28日)
- 伝統技術とデザイン力で世界へ
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(2016年1月11日) - 自動車から医療機器への参入
(2016年1月18日) - スーツ、金髪の若者が農業を変える!
(2016年1月25日)
1951年愛知県生まれ。
2001年に立教大学経済学部教授に就任。外務省参与として中小企業の海外展開、関東経済産業局「新連携支援」政策の事業評価委員長として中小企業連携支援にかかわるほか、企業経営者との勉強会を全国で開催するなど、自ら中小企業支援を積極的に展開。
【山口義行・公式HP】