飛躍の源泉

伝統技術とデザイン力で世界へ

(独)中小機構
販路支援部
柿沼 文彦 氏

斬新なフォルムの陶磁器を生み出し、国内外で高い評価を得ているメーカーが、せともののまち・愛知県瀬戸市の株式会社セラミック・ジャパンである。中小機構の販路支援プラットフォームRin crossingのメンバーである同社の代表取締役社長、大橋正之氏は「『今までにない』をコンセプトに新しい提案ができないかを常に考えている」と語る。そのアイデアを形にするのが、分業体制の産地内の意欲的で技術力の高い型や素地、焼き物などの協力業者ネットワークである。

ニューヨーク近代美術館に収蔵される一方、中小機構の開発プロジェクトでは、生け花クリエーターとともに世界的スポーツ用品企業のバスケットシューズをモチーフにした花瓶を開発するなど、新進気鋭のデザイナーとのコラボに取り組む同社。根底には、他に類似性がない形、生活が楽しくなるデザイン、飽きのこない良質な製品作りの思想がある。

近年は輸出にも注力し、現地のライフスタイルにあった商材で欧米や中国を中心に売り上げを伸ばし、すでに全体の12%を占める。今後5年で25%まで伸ばしたいという。海外進出のカギは「経営者のやる気(=覚悟)」と大橋氏。これは海外を目指す中小企業のすべてに当てはまる言葉といえよう。

2016年1月4日

株式会社セラミック・ジャパン :

愛知県瀬戸市中品野町60-4
【株式会社セラミック・ジャパン HP】

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1956年東京都生まれ。独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)で経営者・経営幹部を対象にマネジメント研修を行う中小企業大学校校長を経て、ビジネスマッチングイベント「新価値創造展」の開催や販路開拓プラットフォーム「Rincrossing」の運営などを通じ、地域中小企業の販路開拓支援に携わっている。
【中小機構 HP】

柿沼文彦