伝統技術とデザイン力で世界へ
斬新なフォルムの陶磁器を生み出し、国内外で高い評価を得ているメーカーが、せともののまち・愛知県瀬戸市の株式会社セラミック・ジャパンである。中小機構の販路支援プラットフォームRin crossingのメンバーである同社の代表取締役社長、大橋正之氏は「『今までにない』をコンセプトに新しい提案ができないかを常に考えている」と語る。そのアイデアを形にするのが、分業体制の産地内の意欲的で技術力の高い型や素地、焼き物などの協力業者ネットワークである。
ニューヨーク近代美術館に収蔵される一方、中小機構の開発プロジェクトでは、生け花クリエーターとともに世界的スポーツ用品企業のバスケットシューズをモチーフにした花瓶を開発するなど、新進気鋭のデザイナーとのコラボに取り組む同社。根底には、他に類似性がない形、生活が楽しくなるデザイン、飽きのこない良質な製品作りの思想がある。
近年は輸出にも注力し、現地のライフスタイルにあった商材で欧米や中国を中心に売り上げを伸ばし、すでに全体の12%を占める。今後5年で25%まで伸ばしたいという。海外進出のカギは「経営者のやる気(=覚悟)」と大橋氏。これは海外を目指す中小企業のすべてに当てはまる言葉といえよう。
2016年1月4日
株式会社セラミック・ジャパン :
愛知県瀬戸市中品野町60-4
【株式会社セラミック・ジャパン HP】
- ライバルとの連携で飛躍
(2015年4月6日) - 人とつながる「縁」農活動
(2015年4月13日) - 「夢」をスタートさせるビジネス
(2015年4月20日) - 「食事の楽しさ」をデザイン
(2015年4月27日) - 事業連携の第一歩は気づきと想像力
(2015年5月4日) - 赤レンガ復元をブランドに
(2015年5月11日) - ブランド創りのカギは「やせがまん」
(2015年5月18日) - 地域から必要とされる
(2015年5月25日) - 「選択」の楽しさを提供
(2015年6月1日) - 身近な缶は、実はエコロジー商品
(2015年6月8日) - 日本の住宅産業を変える
(2015年6月15日) - 印刷業から出版の新市場を創造
(2015年6月22日) - 23区唯一の造り酒屋は大人気
(2015年6月29日) - 新規事業は足元から
(2015年7月6日) - 酒造りは良縁を醸すサービス業
(2015年7月13日) - 自前の超精密技術で、新事業展開
(2015年7月20日) - 隣接異業種への挑戦
(2015年7月27日) - がんばれ、日本の鋳物産業
(2015年8月3日) - 養豚経営のあり方を模索
(2015年8月10日) - 世界へ飛躍するデザイン力
(2015年8月17日) - 「こだわり」こそ武器
(2015年8月24日) - 自社の価値と位置を再認識
(2015年8月31日) - ママたちが「HAPPYに楽しむ」
(2015年9月7日) - 「課題解決」による顧客創造
(2015年9月14日) - 革新を続ける伝統企業
(2015年9月21日) - 中小企業が市場を創る
(2015年9月28日) - 鈴鹿から世界へ挑戦
(2015年10月5日) - 本場仕込みのヤギチーズ
(2015年10月12日) - こだわりの技術で市場を開拓
(2015年10月19日) - 100年マンションの実現を
(2015年10月26日) - 地域の資源をつなぐ
(2015年11月2日) - 挑戦を続ける最先端企業
(2015年11月9日) - メリヤスの草履が世界へ飛翔
(2015年11月16日) - アイデア銭湯
(2015年11月23日) - 着物を海外へ
(2015年11月30日)
- 超硬金型を武器にタイで展開
(2015年12月7日) - ロボット技術で自立への道
(2015年12月14日) - 成長の秘訣は「捨てること」
(2015年12月21日) - 未来の糧の種をまく
(2015年12月28日)
1956年東京都生まれ。独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)で経営者・経営幹部を対象にマネジメント研修を行う中小企業大学校校長を経て、ビジネスマッチングイベント「新価値創造展」の開催や販路開拓プラットフォーム「Rincrossing」の運営などを通じ、地域中小企業の販路開拓支援に携わっている。
【中小機構 HP】