地域資源を活用した新機能製品

岐阜県下呂市、飛騨街道萩原宿のほど近くで畳床・木製家具を製造・販売する飛騨フォレスト株式会社。岐阜県産ひのきの間伐材を原料とした畳床「健康ひのき畳」、現代の生活様式に対応した「ひのき畳ベッド」、「ユニット畳・畳コーナー」などのオリジナル製品が口コミで人気を集め、業績を伸ばしている。

建材メーカーの下請けから脱却する形で、1995年に設立。設立者の今井實郎氏が機能的かつ健康や環境に配慮した自社製品の開発を始めてから、県産ひのきの木片を圧縮・縫製した畳床「健康ひのき畳」を商品化するまでには多くの苦労があったという。

2000年代後半に事業を継いだ現代表取締役の今井康徳氏は、縮小傾向にある畳業界の将来性を鑑み、家具製品として「ひのき畳ベッド」などを開発・商品化するとともに販路開拓に奔走。消費者との直接的なつながりを志向し、インターネットでの直販体制を確立した。現代的な「和室」や「畳」の空間・機能を求める需要に合致し、事業は軌道に乗った。

康徳氏は「顧客から追加注文を受けるようになったことがうれしい」と大きな手応えを感じている。岐阜・飛騨地域の資源を最大限に活用すると同時に、地域とともに生きるという姿勢から新たな挑戦を続ける。

2016年9月19日