飛躍の源泉

技術と人材を生かした刺繍事業

明治大学経営学部教授(中小企業研究)
岡田浩一 氏

東京都千代田区にある株式会社ミノダは繊維の町として知られる日本橋馬喰町で1964(昭和39)年にミノダネーム店として創業し、作業服や制服へのネーム刺繍(ししゅう)事業を長年にわたって展開してきた。

現在でも蓄積した刺繍の技術を生かし、警視庁や各種公団、病院、企業、学校関係の制服のネーム刺繍やエンブレム刺繍に加えて、刺繍によるキャラクター商品も展開している。ディズニーやミッフィー、サンリオ、スヌーピーといった人気キャラクターの刺繍ワッペンシールはその一例だ。

さらに、リオデジャネイロ五輪・同パラリンピックで日本選手団が着ていた公式ジャケットの胸に刺繍されたエンブレムも同社の仕事だ。こうした例からも技術力と製品の品質が高く評価されていることがうかがえる。

同社では「人を育てることが、ニーズに対応することにつながる」との信念に基づき、社員教育・人材育成に取り組み、近年は個人・小ロットのオーダーにも対応。今後は、ウェブ上で顧客自身が刺繍データを入力することにより、自分が求めるイメージどおりの刺繍をスピーディーに提供する事業に力を入れるという。刺繍の技術と人材育成によって、拡大する顧客ニーズに応えることに成功している。

2016年10月10日

株式会社ミノダ :

東京都千代田区岩本町3-2-2 千代田岩本ビル1F
【株式会社ミノダ HP】

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プロフィール 岡田浩一

1962年新潟県生まれ。
2001年に明治大学経営学部教授に就任。専門分野は中小企業経営論。ロンドン大学ロイヤルホロウェイ客員研究員、日本中小企業学会理事、中小企業IT経営力大賞選考作業部会長、攻めのIT経営中小企業百選選定委員長。主な著書に「中小企業のIT経営論」など。

岡田浩一