技術と人材を生かした刺繍事業
明治大学経営学部教授(中小企業研究)
岡田浩一 氏
岡田浩一 氏
東京都千代田区にある株式会社ミノダは繊維の町として知られる日本橋馬喰町で1964(昭和39)年にミノダネーム店として創業し、作業服や制服へのネーム刺繍(ししゅう)事業を長年にわたって展開してきた。
現在でも蓄積した刺繍の技術を生かし、警視庁や各種公団、病院、企業、学校関係の制服のネーム刺繍やエンブレム刺繍に加えて、刺繍によるキャラクター商品も展開している。ディズニーやミッフィー、サンリオ、スヌーピーといった人気キャラクターの刺繍ワッペンシールはその一例だ。
さらに、リオデジャネイロ五輪・同パラリンピックで日本選手団が着ていた公式ジャケットの胸に刺繍されたエンブレムも同社の仕事だ。こうした例からも技術力と製品の品質が高く評価されていることがうかがえる。
同社では「人を育てることが、ニーズに対応することにつながる」との信念に基づき、社員教育・人材育成に取り組み、近年は個人・小ロットのオーダーにも対応。今後は、ウェブ上で顧客自身が刺繍データを入力することにより、自分が求めるイメージどおりの刺繍をスピーディーに提供する事業に力を入れるという。刺繍の技術と人材育成によって、拡大する顧客ニーズに応えることに成功している。
2016年10月10日
株式会社ミノダ :
東京都千代田区岩本町3-2-2 千代田岩本ビル1F
【株式会社ミノダ HP】
- ライバルとの連携で飛躍
(2015年4月6日) - 人とつながる「縁」農活動
(2015年4月13日) - 「夢」をスタートさせるビジネス
(2015年4月20日) - 「食事の楽しさ」をデザイン
(2015年4月27日) - 事業連携の第一歩は気づきと想像力
(2015年5月4日) - 赤レンガ復元をブランドに
(2015年5月11日) - ブランド創りのカギは「やせがまん」
(2015年5月18日) - 地域から必要とされる
(2015年5月25日) - 「選択」の楽しさを提供
(2015年6月1日) - 身近な缶は、実はエコロジー商品
(2015年6月8日) - 日本の住宅産業を変える
(2015年6月15日) - 印刷業から出版の新市場を創造
(2015年6月22日) - 23区唯一の造り酒屋は大人気
(2015年6月29日) - 新規事業は足元から
(2015年7月6日) - 酒造りは良縁を醸すサービス業
(2015年7月13日) - 自前の超精密技術で、新事業展開
(2015年7月20日) - 隣接異業種への挑戦
(2015年7月27日) - がんばれ、日本の鋳物産業
(2015年8月3日) - 養豚経営のあり方を模索
(2015年8月10日) - 世界へ飛躍するデザイン力
(2015年8月17日) - 「こだわり」こそ武器
(2015年8月24日) - 自社の価値と位置を再認識
(2015年8月31日) - ママたちが「HAPPYに楽しむ」
(2015年9月7日) - 「課題解決」による顧客創造
(2015年9月14日) - 革新を続ける伝統企業
(2015年9月21日) - 中小企業が市場を創る
(2015年9月28日) - 鈴鹿から世界へ挑戦
(2015年10月5日) - 本場仕込みのヤギチーズ
(2015年10月12日) - こだわりの技術で市場を開拓
(2015年10月19日) - 100年マンションの実現を
(2015年10月26日) - 地域の資源をつなぐ
(2015年11月2日) - 挑戦を続ける最先端企業
(2015年11月9日) - メリヤスの草履が世界へ飛翔
(2015年11月16日) - アイデア銭湯
(2015年11月23日) - 着物を海外へ
(2015年11月30日) - 超硬金型を武器にタイで展開
(2015年12月7日) - ロボット技術で自立への道
(2015年12月14日) - 成長の秘訣は「捨てること」
(2015年12月21日) - 未来の糧の種をまく
(2015年12月28日)
- 伝統技術とデザイン力で世界へ
(2016年1月4日) - 時間を買ってもらう
(2016年1月11日) - 自動車から医療機器への参入
(2016年1月18日) - スーツ、金髪の若者が農業を変える!
(2016年1月25日) - 外部との連携で生まれた新製品
(2016年2月1日) - 世界に広がる爪切り
(2016年2月8日) - 経営資源の集中で新市場創造
(2016年2月15日) - ひらめきを具現化した「割裂工法」
(2016年2月22日) - 落語家のバー
(2016年2月29日) - 美濃と和紙を元氣に
(2016年3月7日) - 荒波を乗り越える「顧客支援力」
(2016年3月14日) - 「400年企業」の挑戦
(2016年3月21日) - 仏具販売を革新
(2016年3月28日) - 継承した技術を世界に発信
(2016年4月4日) - 過疎と戦う地域の活力源
(2016年4月11日) - 中小企業の国際化戦略
(2016年4月18日) - 「間」をとりもつ美
(2016年4月25日) - 自社製品を売る工夫
(2016年5月2日) - 地元資源のユニークな活用
(2016年5月9日) - お墓づくりで世直し・人助け
(2016年5月16日) - 自社製品開発による飛躍
(2016年5月23日) - 「時」が魅力を醸成する銅器
(2016年5月30日) - 「脱下請け体質」の効果
(2016年6月6日) - 顧客とともに日本の壁を楽しく飾る
(2016年6月13日) - 海から浜への再挑戦
(2016年6月20日) - 小規模企業のグローバル化
(2016年6月27日) - 琥珀色への想い
(2016年7月4日) - 花火の文化と技術を継承・発展
(2016年7月11日) - OEMから自社製品へ
(2016年7月18日) - 職人が生み出す美しい栓抜き
(2016年7月25日) - 広島牡蠣を全国へ
(2016年8月1日) - 海藻の美しさ
(2016年8月8日) - 伝統と革新の和合が生む新たな世界
(2016年8月15日) - 業界初のサービスで「脱1社依存」
(2016年8月22日) - 子どもの声が聞こえる職場
(2016年8月29日) - 医療検査用ポンプで躍進
(2016年9月5日) - わかりやすさで伝える技術
(2016年9月12日) - 地域資源を活用した新機能製品
(2016年9月19日) - 伝統工芸の組み合わせで付加価値
(2016年9月26日) - 温泉宿泊施設再生の「秘策」とは?
(2016年10月3日)
1962年新潟県生まれ。
2001年に明治大学経営学部教授に就任。専門分野は中小企業経営論。ロンドン大学ロイヤルホロウェイ客員研究員、日本中小企業学会理事、中小企業IT経営力大賞選考作業部会長、攻めのIT経営中小企業百選選定委員長。主な著書に「中小企業のIT経営論」など。