石材店が作った免震装置
神戸国際大学経済学部教授
中村 智彦 氏
中村 智彦 氏
地震による様々な被害の中で、意外と気が付かないのが墓石の倒壊。倒壊すれば墓石が割れたり、もし近くに人がいれば大きなけがを負ったりする危険もある。そんなリスクを避けようと、愛知県岡崎市の石材店、株式会社安震はゲル状の衝撃吸収材と特殊ゴムと接着剤を利用した墓石倒壊防止装置を開発した。
「うちの免震ゲルを使った墓石は東日本大震災でも熊本地震でも倒壊しませんでした」と代表取締役社長の杉田規久男氏。それを知った大手食品メーカーが、工場装置の倒壊防止に使えるのではないかと連絡してきた。そこから工場や医療機関など機器類への免震が必要な企業から問い合わせが相次いだ。
そうした工場などは従来、床や壁に穴を開けて固定する方法をとっていたが、それだと建物に多くの穴を開けることになるだけでなく、機器類の移設も難しくなる。同社のゲル状の免震装置なら、取り付け・取り外しが簡単であると多くの企業が採用している。
特許などの知的財産権を保有し、揺れを発生させる実験装置も自社で保有。「墓石の販売から、この免震装置中心の経営に転換していっている」と杉田氏は言う。工場など以外にも活用できる場所は多い。備えあれば憂いなし。採用する企業はさらに増えそうだ。
2017年4月17日
株式会社安震 :
愛知県岡崎市細川町くぼ地63-1
【株式会社安震 HP】
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(2017年4月10日)
1964年生まれ。
大阪府立産業開発研究所などを経て2007年から神戸国際大学経済学部教授。専門である中小企業論・地域経済論では、現地での調査・研究を重視。中小企業間のネットワーク構築や地域経済振興プロジェクトにも数多く参画している。
【凡才中村教授の憂鬱HP】