「土台づくり」が成長の礎に

OA文具・事務用品販売の株式会社いしかわ文明堂は1952（昭和27）年創業。大手文具メーカーの沖縄総代理店として発展してきたが、2006年、経営方針の違いから事業の約9割を占めていた総代理店を返上することになった。小売りへの業態転換を余儀なくされ、7,000万円分ほどの在庫の半数が売れ残り、保育園や養護施設へ無料で配布された。

少しでも体力があるうちに会社の土台から改善しなくては…。代表取締役社長の石川京美氏はそう決意した。まずは“整理・整頓・清掃”の「3S」から。同氏は仲間の企業を４社集めて1人のコンサルタントに依頼し、「沖縄3S活動研究会」を立ち上げた。不要な物を処分し、整理整頓を徹底、書類もほぼすべて電子化してパソコンで共有。毎月の報告会で仲間の会社に集まり、互いの現場を見合うことも刺激となり3Sは浸透していった。

すると、社員に変化が表れた。問題を改善するクセがつき、自ら課題を見つけ業務改善を行うように成長していったのだ。これこそビジネスになる！ 2012年、石川氏は研究会を引き継ぎ、「オフィス3Sラボ」として事業化した。多くの企業の“土台づくり”をサポートしている。根本をおろそかにせず改善することで人は成長し、会社も成長していくのだ。

2017年6月5日