飛躍の源泉

生産者と消費者の顔の見える流通

岐阜経済大学経営学部講師
大前 智文 氏

有機農業の普及・促進・教育を図る公益社団法人全国愛農会、愛農学園農業高等学校、「農を愛する」生産者の組織「愛農(あいのう)」。その流通部門として東海地方の所属農家の生産物などを販売・卸売する株式会社愛農流通センター。共同購入、宅配、直売店による安心・安全・こだわりの商品を取り扱う専門企業として、農業を支える流通のあり方を模索している。

低・無農薬栽培の有機農産物の円滑な生産、安定した農業経営への寄与を目的として、あいのう農家の出資により1982(昭和57)年設立。有機農産物流通の先駆者として、勉強会や話し合いなどから生産者と消費者の互恵関係の構築に奔走するとともに、産直による市場外流通の安定した仕組みづくりに知恵を絞ってきた。近年では直営農場や食品加工工場などを展開。衰退傾向が続く日本の農業を応援する「何でも屋」として策を講じる。

代表取締役の江端貴氏は「農業は自然が相手。生産者と消費者をつなぐ流通部門が本来の農業と農産物のあり方をきちんと考え、説明する必要がある」と話す。人間生活の根底にある農業の責任と未来を見定め、生産者と消費者のお互いの顔の見える関係を取り持つため、その想いの流れを整え、結んでいく。

2017年5月15日

株式会社 愛農流通センター :

愛知県豊田市平畑町東田731
【株式会社 愛農流通センター】

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大前智文

1982年愛知県生まれ。
名城大学経済学部特任助手を経て、2017年より岐阜経済大学経営学部講師に着任。日本中小企業学会幹事。駆け出しの研究者としてフィールドワークを重ね、中小企業に関する調査・研究に取り組む。

大前智文