眼鏡を通じた快適生活の提案

埼玉、千葉両県で眼鏡販売店を展開する株式会社メガネマーケット。低価格店の出店攻勢で市場規模が大きく縮小している眼鏡業界、価格勝負では大手にかなうはずもなく、中小眼鏡店は吹き飛ばされかねない。そんな危機感の中、代表取締役の久賀きよ江氏が行ったのは自社の役割の“再定義”だった。

自分たちが提供できる「付加価値」は、「快適生活の提案」。眼鏡を売ることではなく、眼鏡というツールを通して快適な生活を提供することにこそ、自分たちの存在意義がある。そのためには、お客様に寄り添って「一番いいもの」を提案していく必要がある。

その結果、店の棚から低価格品は一掃されたが、売り上げは再び伸び始めたという。さらに、「目の快適」から隣接する「耳の快適」に貢献する商品も展開。より専門性、医療性の高い補聴器の取り扱いを始め、現在その売り上げは全体の1割近くに及んでいる。

久賀氏はさらに補聴器という高齢者ビジネスの対極の事業として、子どもたちの「快適生活」を支援するため、埼玉県初のこども眼鏡専門店「こども眼鏡館」も開設。ただ、ものを売るだけではなく、自社の役割を深掘りすることで付加価値が生まれ、その先の新たなビジネス展開へつながっていくのだ。

2017年12月25日