お葬式の「正解」を求めて

1件あたりの規模が縮小傾向にあり、件数は増えても平均単価が下がり続けている葬儀業界で、単価を上げ、成長を続けているのが北海道の苫小牧市と室蘭市を中心に葬祭式場、仏壇店、生花店を運営する、めもりあるグループホールディングス株式会社だ。

「お葬式の『正解』はご遺族の心の中にしかありません。それでもその『答』を求めて、自分たちの役割を問い続けています」。3代目代表取締役社長の沖本善昭氏はそう話す。

そんな沖本氏の姿勢を体現しているのが家族葬専用葬儀場「メモリアルハウス星光館」。1階ホールは、棺を安置する「お別れの部屋」と隣のラウンジがつながり、食事も含めて参列者は故人と最後のひとときを過ごせる。そして、「最後の1時間」だけは扉を閉じ、「家族だけの時間」をつくる。2階はリビング・ダイニングなど家族のための「生活空間」で、棺を見守りながら1夜を明かせるように大きな窓で1階との空間がつながっている。

沖本氏の思いが「物語風」に表現されたパンフレットも独自だ。「否認」「怒り」、そして「受容」へと変化していく臨床心理学の「宣告から死に至るまでの心理過程」などを紹介。「顧客に知ってもらいたいことを載せました」と沖本氏。それがまた顧客の心を打つ。

2017年9月25日